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【北中米W杯出場国紹介|第2回:イングランド】組織的に走るタレント集団。明確な哲学のもとで機能する“トゥヘル式トランジション”

カテゴリ:ワールド

河治良幸

2025年11月07日

選手層の厚さと競争の厳しさが強み

確かな手腕でチームを着実に進化させているトゥヘル監督。(C)Getty Images

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 サイドアタッカーの層も厚い。右にブカヨ・サカ、左にアンソニー・ゴードン、さらにノニ・マドゥエケと、いずれもプレミアリーグの第一線で活躍する俊英たちだ。もちろん現在はスペインのバルセロナで奮闘するマーカス・ラッシュフォードも健在。彼らの推進力と1対1の突破力は、イングランドの攻撃を決定づける“ホットゾーン”となっている。

 また、フィル・フォーデンの所属クラブでの復調も朗報だ。サカやマドゥエケとも違うリズムがあり、決定的なフィニッシャーでもあるフォーデンが復帰すれば、世界制覇に向けた有効なオプションになるのは間違いない。

 ケインと縦のホットラインが期待されるのは、23歳のモーガン・ロジャーズ。流動的な動きで守備のギャップを突くのがうまく、縦に早くなりやすいイングランドの攻撃にあって、緩急の明確なアクセントにもなっている。

 もちろんジュード・ベリンガムが帰ってくれば、ポジション争いは熾烈を極めるだろう。トゥヘル監督は「特定のスターに頼らないチーム作り」を掲げるが、世界の頂点を狙うにはベリンガムという“ビッグピース”が必要不可欠という、現地の評論家や世間の声も強い。ベリンガムの状態も見極めながら、トゥヘル監督がどう判断していくか。
 
 イングランド代表の強みは、選手層の厚さと競争の厳しさにある。代表チームの土台となるプレミアリーグは“世界最高峰”と称され、各国代表級のスターが主力を争う舞台だ。イングランド代表クラスの選手であっても、上位を争う強豪クラブで主力を張るのは容易ではない。

 その熾烈な環境を勝ち抜いた者だけが、トゥヘルの下に集う。所属クラブで出番を失えば、名前のある“実績組”でも容赦なく切り捨てられる過酷な環境。だからこそ、このチームには閉鎖的な空気が見られない。

 欧州予選の成績が示す通り、現在のイングランドは攻守のバランスが極めて高い次元で保たれている。組織的なプレッシングでボールを奪い、そこから素早く攻撃へ転じる“トゥヘル式トランジション”。それは単なる個の集まりではなく、明確な哲学のもとに統率されたチームとして機能している。

 ただ、そうした機能性の追求だけで世界一を獲れるほど、W杯は甘くないだろう。気鋭の指揮官はここから何を加えていくのか。イングランドにとって縁あるアメリカ大陸の地が、挑戦の舞台になる。

文●河治良幸

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