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「日本一の監督を目ざします」ベルギーで指導者研修の元日本代表MFが貫く“橋渡し役としてのイズム”。「いずれ、社長とかTDはどうですか」の問いには?【現地発】

カテゴリ:日本代表

中田徹

2025年10月30日

スモールステップアップを積み重ね、日本代表メンバーまでたどり着いた

STVVを率いるフランケン監督(左)との対話も実現した。写真:本人提供

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 橋本は引退試合の主役であったが、今後のガンバ大阪や、いずれ引退を迎える選手たちのための橋渡し役も務めていた。

「私は周りの人から助けられてずっとサッカー人生を歩んできました。例えば、良い指導者と出会うことで自分の人生が変わったりしました。自分がそういう思いをしたことを、他の人にも――と思ってます」

 プレースタイルも、周りの選手をボールでつなぐ媒介役だった。

「イビチャ・オシムさんが日本代表監督(2006年、07年)のときに『水を運ぶ役』という表現をされました。私はバケツに水を汲んで運んでいく人だったんです」

 2010年までの5年間、橋本の代表キャップ数は15。ベンチ入りを含めると34試合にも及ぶ。本職のボランチはもちろんのこと、DF、FWでもプレーできるポリバレントさから、オシム監督や岡田武史監督は、常に傍にいてほしいと橋本のことを思っていたのだろう。
 
 プエンテFC(兵庫県明石市)は橋本が代表を務める、ジュニア、ジュニアユース向けサッカークラブ、およびサッカースクール(明石市、神戸市)だ。

「プエンテはスペイン語で“橋”。プエンテFCはミッションとして“今と未来を繋ぐ架け橋”ということを掲げてます」

 プエンテFCに集うのは、Jクラブや強豪街クラブのジュニアユースに進めないレベルの子どもたち。

「100人サッカー部員がいるような高校に進んでメンバー入りできなくても、自分で律し、自分で立つことができる人間だったら腐ることなく、しっかり目標を設定してステップアップし、3年でベンチに入ることができるかもしれない。大学でサッカーを続けて4年になってようやくレギュラーになり、もしかしたら試合で活躍してJ3,JFLに進むような未来につながるかもしれない。私たちはジュニアユースで選手を完成させるのではなく、高校→大学→未来に繋がる要素を、この3年間で選手たちにしっかり与えます」

 橋本自身、「ガンバ大阪ジュニアユースで100人中、謙遜ではなく最下層からのスタートでした。最初はHチームでしたが、試行錯誤を重ねながら上達し、中学2年のときにAチームに入りました」という経験を持つ。

 自著「1%の才能」(エクスナレッジ刊)には『努力し続けることのできる能力』『目標を達成するための合理的な方法を見つけ、それを効率的に実践していく能力』があったのだという。その目標設定の仕方は、『(同期の)稲本潤一は無理でも、頑張れば手が届きそうなチームメイトはいる。それならば、ひとまずその選手を超えるために努力する』こと。こうして『成功体験をショートスパンで定期的に得る』ことができた。つまりスモールステップアップを積み重ねることによって、ガンバ大阪の黄金期を支える一員となり、日本代表メンバーまでたどり着いた。

 プエンテFCから巣立つ子どもたちについて、橋本が「100人サッカー部員がいるような高校に行っても…」と語った例え話には、ガンバ大阪ジュニアユースでの「100人中、最下層からのスタート」という自身の経験と被るリアリティーがあった。

 橋本は「俳優やプロスポーツ選手はチャリティ活動をするもの」という認識をずっと持っていたのだという。ある程度の地位を築いた者は社会貢献を果たすべき、という考えだろう。橋本は2009年から日本クリニクラウン協会の活動に参加している。

「『すべてのこどもにこども時間を』を合言葉に、赤い鼻がトレードマークのクリニクラウン(臨床道化師)を小児病棟に派遣し、入院しているこどもたちが、こども本来の生きる力を取り戻し、笑顔になれる環境をつくる」(同協会ホームページより)

「2009年はうちの娘が生まれた年でした。その時期は、私も日本代表に入ってましたので、『このタイミングでチャリティ活動をしようかな』と思ったんです」
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