アジアでは出来ても強い相手には…
一方で攻撃に比べて、課題が目立ったのは守備面だ。アジアの戦いでは表面化しなかったが、3CBで守ることの限界が明らかになっている。
2014~19年にベガルタ仙台を指揮し、3-4-2-1を導入して攻撃的なスタイルを築いた渡邉晋監督も当時、このシステムのリスク要因の一つに、相手サイドハーフにカウンターから一発で抜け出されることを挙げていた。
パラグアイも前線4枚が攻撃的で、守備時にも下がらないので、カウンターになった時に4枚が一緒に飛び出してくる。そうなると、3バックが起点を潰し切れなかった時、相手の残る1枚、主にサイドハーフにフリーで抜け出されてしまうというわけだ。そして、パラグアイのような強敵を相手にすると、3バックが起点を潰し切れない場面は必ず発生する。しかも複数である。
21分に失点を喫した場面も、最初に上記のような速攻でアルミロンに抜け出され、大ピンチを迎えて全体が引かされ、一瞬緩んだ隙に再びアルミロンの飛び出しから絶妙なシュートを食らっている。きっかけは、3CBで速攻を潰し切れなかった場面だ。
アジアでは潰し切れた起点を、このレベルでは潰し切れないことがある。となると、日本も4枚に増やして対応するしかなく、後半は右サイドの伊東を最終ラインに下げた状態で守備を始めるようになった。4-4-2に変更した、というよりは、3バックの守備を右下げのアシンメトリー型にしたような格好だ。
2014~19年にベガルタ仙台を指揮し、3-4-2-1を導入して攻撃的なスタイルを築いた渡邉晋監督も当時、このシステムのリスク要因の一つに、相手サイドハーフにカウンターから一発で抜け出されることを挙げていた。
パラグアイも前線4枚が攻撃的で、守備時にも下がらないので、カウンターになった時に4枚が一緒に飛び出してくる。そうなると、3バックが起点を潰し切れなかった時、相手の残る1枚、主にサイドハーフにフリーで抜け出されてしまうというわけだ。そして、パラグアイのような強敵を相手にすると、3バックが起点を潰し切れない場面は必ず発生する。しかも複数である。
21分に失点を喫した場面も、最初に上記のような速攻でアルミロンに抜け出され、大ピンチを迎えて全体が引かされ、一瞬緩んだ隙に再びアルミロンの飛び出しから絶妙なシュートを食らっている。きっかけは、3CBで速攻を潰し切れなかった場面だ。
アジアでは潰し切れた起点を、このレベルでは潰し切れないことがある。となると、日本も4枚に増やして対応するしかなく、後半は右サイドの伊東を最終ラインに下げた状態で守備を始めるようになった。4-4-2に変更した、というよりは、3バックの守備を右下げのアシンメトリー型にしたような格好だ。
前半に出た課題の対策としては理解できたが、その一方、これはこれで課題が出てしまう。やはり伊東が後ろめに、アルミロンを気にした状態から相手サイドバックへ縦ズレしてプレスに行くので、前半よりもタイミングが遅れてしまう。それが表面化したのが60分の場面だ。
プレッシングが一歩ずつ遅れて縦に鋭く運ばれ、9番サナブリアにシュートを打たれた。後半はプレスのタイミングを共有できない場面が目立ったが、その理由は選手交代だけでなく、やむを得ず打った対策、つまりプレスの形を変えたことが大きかったはず。
さらに、言わば疑似4-4-2なので、反対側の中村も左サイドハーフのようで、そうではない。中へ絞らないのだ。
64分には7番ディエゴ・ゴンサレスが中へ寄って縦パスを受けたが、ウイングハーフの中村が中へ絞らないので、パスコースはがら空きだった。そのゴンサレスに対し、鈴木が数的不利にもかかわらず無理に突っ込んでしまい、あっさりフリックでかわされ、鈴木の裏を突いたディエゴ・ゴメスがシュートへ持ち込む。そしてフリーのこぼれ球からクロスを供給され、パラグアイの2点目が決まった。
前半に失点した守備の課題を修正したら、後半はその修正した守備が難点を突かれる。何とも苦々しい試合だった。相手のレベルが高くなければ起こらない、課題の連鎖でもあり、やはりマッチメイクが最高に良かった。これを踏まえての、ブラジル戦が楽しみだ。
文●清水英斗(サッカーライター)
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プレッシングが一歩ずつ遅れて縦に鋭く運ばれ、9番サナブリアにシュートを打たれた。後半はプレスのタイミングを共有できない場面が目立ったが、その理由は選手交代だけでなく、やむを得ず打った対策、つまりプレスの形を変えたことが大きかったはず。
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