鹿島を襲った“真夏の変事”。「気持ちがバラバラになれば」と土居も危機感を募らせる

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2016年08月09日

誰もが“俺がなんとかする”と躍起になっているが…。

途中出場から懸命にゴールを狙った鈴木(34番)だが、結果を出せず。「もう一度、サッカーと真剣に向き合って、やらないといけない時期」と反省を口にする。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 鹿島はしばらく勝利から見放されているだけに、「勝ちたい気持ちはもちろん、全員ある」(鈴木)のは間違いないが、それがひとつにまとまりきれていないのかもしれない。鈴木は言う。「自分も含めて、個人、個人で戦っている気がする」と。
 
 誰もが“俺がなんとかする”と躍起になっている。そのこと自体に問題があるとは思えないが、チームプレーという点で微妙なズレを生じさせてしまっている可能性はある。
 
 第1ステージでなら通っていたパスが引っかかる。入っていたシュートが枠を外す。止められていた突破を許してしまう……。
 
 少なくとも、優勝した第1ステージでは見られていた勝負強さや安定感、ダイナミズム、運が急速に失われつつある。個の力に秀でるカイオの移籍だけでは片づけられない“不足感”が否めず、チームはまるで勝つ術を忘れてしまったかのように、トンネルから抜け出せずにいる。
 
 それでも、立ち止まるわけにはいかない。ここが踏ん張りどころでもある。長いシーズンを考えれば、一度どこかで苦しむことで、そこから這い上がる力を身に付けられれば、チームとしての経験値は上がり、最終的な勝者になれるかもしれない。
 
 大事なのは、集中を切らさないことだ。
 
「ここでみんなの気持ちがバラバラになれば、この状態がずっと続くだけだと思う」(土居)
 
 そうならないためにも、当たり前のことを当たり前に、愚直にやり続けるしかない。
 
「なにかのきっかけで、良い流れに行くと思う。早く軌道修正できるのが強いチーム。明日から切り替えて、練習を思い切りやって、頑張りたい」(鈴木)
 
 リーグ3連敗中のまま、鹿島は8月10日(水)に南米王者のインデペンディエンテ・サンタフェとのスルガ銀行チャンピオンシップを迎える。
 
 とにかく、今の鹿島には勝利が必要だ。タイトルがかかる一戦できっかけを掴み、“強いチーム”であることを証明したい。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 

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