今回の2試合を振り返ると、守備におけるマッチアップとミスマッチの表裏が見える。形がマッチアップしていると、守備は破綻がないように思えるが、すべてが1対1なのでボールを奪うためにはデュエルで勝つしかない。
それを外され始めると、守備全体がバラバラになるし、局面で劣勢になると、どこでボールを奪いにスプリントをかけるべきか、いわゆる「奪いどころ」が無くなって、寄せが後手に回り、ひたすら振り回されてしまう。こうなるとマッチアップ型の守備は崩壊する。30分に先制された後の日本は、ほぼその状態だった。
逆にメキシコ戦は、ミスマッチから始める守備でプレッシングに行った。この場合は初期配置で明らかに浮いた相手がいる反面、それをかみ合わせようとする動きが、プレッシングのスイッチになる。メキシコ戦で言えば、堂安律と三笘薫の縦ズレがそのスイッチだった。その瞬間がグッと全体の強度を上げるタイミングであり、味方同士で共有しやすい。メキシコ戦はそれがうまく機能していた。
一方で、このスイッチでうまく連動できなかった場合は、難なく浮いたポジションから前進を許してしまう。まさにそれが表面化したのが、今回のアメリカ戦後半の4バックだった。
4バックはあまりに不慣れで拙かった
日本はアメリカの3-4-2-1に対し、ミスマッチする4-4-2の守備に変更したが、かみ合わず浮いたポジションへ圧縮して寄せることができず、そのまま崩される場面が多かった。
マッチアップした守備と、ミスマッチした守備は、どちらも表裏一体の特徴がある。マッチアップの難点が出たのが前半、ミスマッチの難点が出たのが後半だ。つまり90分を通して守備戦術は厳しいものだった。
アメリカはスピードと局面のコンビネーションに長けているので、マッチアップ守備は不利だったかもしれない。かといって、4バックはあまりに不慣れで拙かった。
カタール・ワールドカップ後の親善試合でドイツなどに連勝を飾ったときの4-4-2は、もっと機能的だったので、日本はメンバーが揃えばうまく使い分けられるかもしれない。ただ、そのメンバーの何人かは負傷離脱中であり、今回の出来を見ると、実戦レベルのラージグループ形成はこれから手強い課題になりそうだ。
文●清水英斗(サッカーライター)
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アメリカはスピードと局面のコンビネーションに長けているので、マッチアップ守備は不利だったかもしれない。かといって、4バックはあまりに不慣れで拙かった。
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