【リオ五輪】藤春廣輝の原点――スピードを開花させた練習と負けず嫌いの亡き父

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年08月03日

亡くなるその日まで仕事に打ち込んだ父。

G大阪のチームメイトである今野も、藤春の負けず嫌いの性格を最近になって知ったという。その性格は亡き父の気性を受け継いだものか。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 藤春は大学4年時、プロ入りの可能性が出てきた頃に、父・末廣さん(享年55歳)を亡くしている。拡張型心筋症を患い、入退院を繰り返しながら5年以上の闘病生活を送った末廣さんは、亡くなったその日まで勤務先となる東大阪市の工場で、仕事をしていたと言う。
 
「お父さんは(余命)あと1年と言われてから5年、生きたんです。亡くなる前の1週間くらいは、仕事でもおかしかったみたい。物をこぼしたり、変なところでつまずいたり。おかしいのは自分でも気づいていたと思う。負けず嫌いやから、とお母さんは言っていた。だから最後まで仕事してたんかな」
 そう思い出を語る男は、確かに父から受け継いだ気性を持つ。
 
 G大阪のチームメートで元日本代表MFの今野は、藤春を高く評価するひとりだ。
「スピードなら長友以上だと思う。普段はそんなに自分から話をするタイプじゃないし、何を考えているのか分かんないけど、特に代表に入ってからは、サッカーでは誰にも負けたくない、って思っているんだなと感じるようになった」
 
 G大阪・長谷川監督も「五輪を経験して、さらに伸びる可能性はある。日本代表のレギュラーを目指して欲しい」と期待をかけ、チームから送り出した。
 
「五輪に出る以上、ひとつでも上を目指して、金メダルを取って帰ってきたい。どれだけ通用するか、戦う相手は強いほうがいい」
 出発前にこう抱負を語っていた藤春。
 
 相手が誰であろうが負けたくない――。そんな思いを胸に秘めた27歳が、自らの可能性を信じ、初めての世界大会に挑む。
 
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