背番号40は歯に衣着せぬ物言いでチームの苦境を語ったが、本当にそれは的を射る指摘ではないか。90年代の第１期、2007～09年のJ１・３連覇の時代、そして複数タイトルを取った2010年代前半には、小笠原満男に象徴される“自らアクションを起こせる人材”がいて、勝ち切る際の部分を理解している印象だった。
そこから長い時間が経過し、今の鹿島にはタイトル経験者が数えるほどしかいない。2020年入団の松村優太が「優勝もACL出場経験もない」と話していたが、彼らを含めて全員で壁を突破して、頂点に立つ過程を体験しなければ、鈴木が指摘したような集団にはなれないのかもしれない。そこは大きな課題と言っていいはずだ。
「もっと選手同士で話し合う必要がある」
ただ、幸いにして、今季の鹿島にはまだJ１タイトルの可能性が残っている。ラスト11戦のカードを見ると、上位対決は浦和レッズ、ヴィッセル神戸、京都サンガF.C.だけ。下位との戦いが多いというアドバンテージもある。得点力のあるL・セアラや鈴木もいて、勝ち切れる力はあるだけに、今回の町田戦完敗を確実に糧にしていくことが肝要だ。
「本当これを取り戻すのはリーグ戦しかない。一人ひとりが何がチームに必要かを考えていかなきゃいけないし、もっと選手同士で話し合う必要がある」とも鈴木は強調していたが、その作業をいち早く実行し、切り替えるべき。ここで開き直れるか。隙のない集団へと進化できるのか。終盤戦の前向きな変化に期待を寄せたいものである。
取材・文●元川悦子（フリーライター）
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「本当これを取り戻すのはリーグ戦しかない。一人ひとりが何がチームに必要かを考えていかなきゃいけないし、もっと選手同士で話し合う必要がある」とも鈴木は強調していたが、その作業をいち早く実行し、切り替えるべき。ここで開き直れるか。隙のない集団へと進化できるのか。終盤戦の前向きな変化に期待を寄せたいものである。
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