リバプール戦の狙いについては「チームとしてやるべきことをしっかりやることと、前に早くプレーするところを意識していた」と鎌田。「僕やウォートンらミッドフィルダーができるだけ早く、前線の選手が縦に抜けたところにパスを出す、という感じでやってました。１点目のPKを取れたシーンは、そういう部分で自分の狙い通りのことができた」と続け、前半途中に怪我に見舞われるアクシデントはあったものの、自身としてもイメージ通りのプレーができたと話した。

　振り返ると、今オフにはクラブに激震が走った。

　５月のFA杯ファイナルでマンチェスター・Cを下し、パレスはクラブ史上初となる欧州リーグ出場権を獲得した。しかしUEFAは、「同一オーナーによる複数クラブ保有規則」に抵触していると判断。パレスの主要株主であるジョン・テクスター氏が、フランス１部リヨンの株式も所有しており、両クラブがヨーロッパリーグに出場資格を有したことから、パレスは欧州リーグ出場権を剥奪された。代わりに、１つ格付けの低い欧州カンファレンスリーグへの出場となったが、クラブは不服としてスポーツ仲裁裁判所（CAS）に提訴した。

　この件について鎌田に「どう捉えていますか？」と聞いてみた。

　2022年にフランクフルトで欧州リーグの頂点に立った日本代表MFは、今回の件を深刻に考えていないと述べ、どの大会に出場することになっても、そのなかで好成績を収めることの方が重要と力を込めた。
 

「僕は別にそんなに（深刻には考えていない）。僕は、ヨーロッパリーグのタイトルをもう取ってるので、カンファレンスリーグに出場するなら、また新しいタイトルを取るチャンスだと思っています。もちろんクラブとしてはヨーロッパリーグに出られる方が良い。ただ、ヨーロッパリーグであっても、カンファレンスリーグであっても、チームがしっかりやっていれば、良い結果を得られる選手が揃っていると思う。今シーズンは４つの大会（プレミアリーグ、FA杯、リーグ杯、欧州カップ戦）に出場するので、すべての大会で良い成績を残せるようやっていきたい」

　スポーツ仲裁裁判所に控訴を行なった判決結果が試合翌日の11日に発表され、パレスの訴えは退けられた。クラブは欧州カンファレンスリーグにまわり、17日に敵地でチェルシーとのプレミアリーグ開幕戦に臨むことになる。

　プレミアリーグ２年目を迎えた鎌田が、どのような活躍を見せるのか。昨シーズンでクラブとリーグへの適応を終えている彼の新シーズンが、いよいよ始まる。

取材・文●田嶋コウスケ

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