マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督は2021－22シーズンのCL準決勝で対戦する前に、パリとチェルシー相手に立て続けに驚異的な逆転劇を演じたマドリーについて次のように説明している。

「マドリーは運に恵まれていると言われるけど、そんなことはまったくない。彼らが試合中に示すクオリティは偶然ではない」

「マドリーには百戦錬磨の強者揃いだ。私が評価するのは、０－３で負けている展開で、難しい時間帯に手を挙げて『俺にボールをよこせ』と声を出す選手たちがいくらでもいることだ。０－３で負けていたら、ボールを欲しがらない選手は一定数いる。だが、彼らは違う。モドリッチ、クロース、（ダニ）カルバハル、ベンゼマ、（ダビド）アラバ...。全員が例外なくボールを要求する。困難な状況でプレーする術を心得ている」

　だが、パリ戦では困難な状況でマドリーはボールを握れず、クルトワはヴィニシウス・ジュニオールめがけてロングキックを蹴る以外になかった。「立ち上がりは彼らのプレスで窒息させられた。そのような状況では、落ち着いてボールを保持してオープンスペースを突いて攻める余裕がなかった」と試合後、クルトワは振り返っている。
 

　もちろんフットボールではボールを保持する前に、しなければならないことがある。ボールを奪回することだ。90分間を通して明らかになった欧州王者との最大の差であり、昨シーズン開幕からずっとマドリーが抱えていた課題でもある。この点についてもクルトワは明瞭に答えている。

「マドリーのプレスと彼らのプレスは違っていた。僕たちはうまくプレスがかからなかったり、余裕を与えることがあった。パリは素晴らしいチームだ。わずかなスペースでも有効に活用し、いいようにしてやられた」

守備の意識の重要性についてはシャビ・アロンソも「全員で守備に取り組まなければならない。ピッチにいる11人全員が守備のタスクに関与し、コンパクトな陣形を保ちながら、チームでどうプレスをかけるかを知らなければならない。その前提が機能しなければ、非常に困難な状況に陥る」と大会中に繰り返し強調していた。

パリ戦では、キリアン・エムバペとヴィニシウスの緩慢な動きがチーム全体に伝染し、守備の破綻を招いた。エデル・ミリトンの言葉が核心を突いていた。

「パリがプレスをかけてくることは分かっていた。僕たちは意欲が少し足りていなかったと思う」

文●ダビド・アルバレス（エル・パイス紙レアル・マドリー番）
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。

【記事】「日本サッカーはクレイジーだ」U-22日本代表、“主力抜き”で国際親善大会制覇に韓国メディアは驚愕！「２軍でサウジに５－１、ウズベクに２－０か」

【画像】長澤まさみ、広瀬すず、今田美桜らを抑えての１位は？ サカダイ選手名鑑で集計！Jリーガーが好きな女性タレントランキングTOP20を一挙紹介
 
【画像】絶世の美女がずらり！C・ロナウドの“元恋人＆パートナー”たちを年代順に一挙公開！