ライバルチームとの関係性も

かつての同僚である横浜の遠野と、川崎の脇坂の2ショット。クラブの垣根を越えたサポート体制もあった。(C)J.LEAGUE

ふろん太も現地へ。チームに協力した。(C)J.LEAGUE
一方で大会で対戦すればライバルとなるが、同じ日本勢として、クラブ間のつながりも欠かせない後押しになった。
2023年にはACL決勝を控えていた浦和と等々力で対戦した川崎は、電光掲示板に「掴み取れACL! 頑張れ 浦和レッズ」と表示し、川崎サポーターは、浦和の選手たちにエールを送る姿があった。
逆に今回のACLEでは、準々決勝で敗退し、先に帰国することになった横浜から川崎はサポートを受けた。
「マリノスのスタッフとは元々仲が良く、先ほど話したように、下見も一緒に行ったほど。ですので、我々の初戦の前日にマリノスが負けてしまったあとも、このスタジアムは滑りやすかったので、こう対応したほうが良いですよと話をしてくれたり、他にも情報をもらえました。助かりましたし、何よりその気持ちが嬉しかったですね」
そうした助け合いは様々な場所でも見られた。
「今回も日本代表もサポートされているシェフの平田(太圭龍)さんに来ていただきました。平田さんは代表の活動で現地のホテルのスタッフとも顔見知りで、コミュニケーションを含めいろんなアレンジをしてくれて助かりました。マリノスも日本から持ち込んだものの使用しなかった食材を残していってくれたり、Jリーグの野々村(芳和)チェアマンからは、かなりの量のお肉やうなぎの差し入れもいただきました。また、スポンサーの方々からご提供いただいている食材、製品などにはアウェー遠征の度に本当に助けられました」
そして、改めてアジアを戦ううえでの大切な要素も教えてくれた。
「少し姑息な感じになってしまうかもしれませんが、AFCのスタッフの方や他のクラブの関係者の方々とのコミュニケーションは取れるだけ取ったほうが絶対に良いですね。味方につけろとまではいいませんが、日々、会話をしていると、何かあった時に助けてくれるような気がします。
今回も現地にふろん太が来て、一見、遊んでいたように見えたかもしれませんが、いろんな関係者の方と記念撮影をさせてもらったり、フロンターレのことを少しでも覚えてもらうように取り組みました。それがどう影響したか分かりませんが、現地の人は喜んでくれました」
2023年にはACL決勝を控えていた浦和と等々力で対戦した川崎は、電光掲示板に「掴み取れACL! 頑張れ 浦和レッズ」と表示し、川崎サポーターは、浦和の選手たちにエールを送る姿があった。
逆に今回のACLEでは、準々決勝で敗退し、先に帰国することになった横浜から川崎はサポートを受けた。
「マリノスのスタッフとは元々仲が良く、先ほど話したように、下見も一緒に行ったほど。ですので、我々の初戦の前日にマリノスが負けてしまったあとも、このスタジアムは滑りやすかったので、こう対応したほうが良いですよと話をしてくれたり、他にも情報をもらえました。助かりましたし、何よりその気持ちが嬉しかったですね」
そうした助け合いは様々な場所でも見られた。
「今回も日本代表もサポートされているシェフの平田(太圭龍)さんに来ていただきました。平田さんは代表の活動で現地のホテルのスタッフとも顔見知りで、コミュニケーションを含めいろんなアレンジをしてくれて助かりました。マリノスも日本から持ち込んだものの使用しなかった食材を残していってくれたり、Jリーグの野々村(芳和)チェアマンからは、かなりの量のお肉やうなぎの差し入れもいただきました。また、スポンサーの方々からご提供いただいている食材、製品などにはアウェー遠征の度に本当に助けられました」
そして、改めてアジアを戦ううえでの大切な要素も教えてくれた。
「少し姑息な感じになってしまうかもしれませんが、AFCのスタッフの方や他のクラブの関係者の方々とのコミュニケーションは取れるだけ取ったほうが絶対に良いですね。味方につけろとまではいいませんが、日々、会話をしていると、何かあった時に助けてくれるような気がします。
今回も現地にふろん太が来て、一見、遊んでいたように見えたかもしれませんが、いろんな関係者の方と記念撮影をさせてもらったり、フロンターレのことを少しでも覚えてもらうように取り組みました。それがどう影響したか分かりませんが、現地の人は喜んでくれました」
もっとも謙遜するようにこうも語る。
「僕らがやっているのは本当に数パーセントのこと。試合に勝つために頑張っているのはやっぱり現場のチームですから。ただ、僕の立場として大事にしているのは安心感。特にアウェーでもいつもと同じ環境を作れるか。だから何か起こった時でも変に慌てない。もし内心、ドキッとしていても表に出さない。『大丈夫ですよ』『想定内ですよ』と見せるんです。すると選手たちは安心してくれる。ストレスなく試合の準備ができる。そこが大事ですね」
ACLエリートの準優勝という結果は、メディアを含め様々な場面で称えられた。しかし、残っているのはやはり悔しさだという。
「優勝と準優勝はやはり大違い。時間が経てば、優勝チームの名前しか記憶に残りませんよね。まだ足りなかったということですよね。だからこそクラブとしてチャレンジし続けたい。そのためにはJリーグで結果を残すしかない。
一方でクラブの組織力を活かして決勝まで行けたのは大きな経験です。決勝戦には若い選手を含めてチーム全員がサウジアラビアに来ることができました。若い彼らは今度は自分がそこに立てるようにと、気持ちを新たにしてくれたと思います。そうやってバトンが受け継がれていく。だから僕の経験も含めてクラブとして蓄積していく。それが今後も大事なんだと思います」
ちなみにこれだけACLを経験している清水だが、英語は流暢に喋れるわけではなく、簡単な単語、ボディーランゲージ、そして伝えたいという想いで乗り切るのだという。スマートなやり方ではないのかもしれない。それこそ地道にコツコツ上手くいく方法を考え続けてきた。そうしたチームのためを思う努力が今回の大会につながったと考えればグッとくるものもある。今後もアジアの大会は予想もできないような事態が起こるだろう。それでも選手に勘づかれないように、対応する。裏にはそうしてチームを支えている人たちがいることを決して忘れてはいけない。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
【第1回】川崎のACLE準優勝を支えたスタッフの“裏”体験記。クラブワールドカップに通じるアジアを勝ち抜くためのヒントとは
【第2回】最大の悩みとチャーター機の恩恵...スタッフが語る川崎のACLエリート準優勝の裏側
【画像】小野伸二や中村憲剛らレジェンドたちが選定した「J歴代ベスト11」を一挙公開!
「僕らがやっているのは本当に数パーセントのこと。試合に勝つために頑張っているのはやっぱり現場のチームですから。ただ、僕の立場として大事にしているのは安心感。特にアウェーでもいつもと同じ環境を作れるか。だから何か起こった時でも変に慌てない。もし内心、ドキッとしていても表に出さない。『大丈夫ですよ』『想定内ですよ』と見せるんです。すると選手たちは安心してくれる。ストレスなく試合の準備ができる。そこが大事ですね」
ACLエリートの準優勝という結果は、メディアを含め様々な場面で称えられた。しかし、残っているのはやはり悔しさだという。
「優勝と準優勝はやはり大違い。時間が経てば、優勝チームの名前しか記憶に残りませんよね。まだ足りなかったということですよね。だからこそクラブとしてチャレンジし続けたい。そのためにはJリーグで結果を残すしかない。
一方でクラブの組織力を活かして決勝まで行けたのは大きな経験です。決勝戦には若い選手を含めてチーム全員がサウジアラビアに来ることができました。若い彼らは今度は自分がそこに立てるようにと、気持ちを新たにしてくれたと思います。そうやってバトンが受け継がれていく。だから僕の経験も含めてクラブとして蓄積していく。それが今後も大事なんだと思います」
ちなみにこれだけACLを経験している清水だが、英語は流暢に喋れるわけではなく、簡単な単語、ボディーランゲージ、そして伝えたいという想いで乗り切るのだという。スマートなやり方ではないのかもしれない。それこそ地道にコツコツ上手くいく方法を考え続けてきた。そうしたチームのためを思う努力が今回の大会につながったと考えればグッとくるものもある。今後もアジアの大会は予想もできないような事態が起こるだろう。それでも選手に勘づかれないように、対応する。裏にはそうしてチームを支えている人たちがいることを決して忘れてはいけない。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
【第1回】川崎のACLE準優勝を支えたスタッフの“裏”体験記。クラブワールドカップに通じるアジアを勝ち抜くためのヒントとは
【第2回】最大の悩みとチャーター機の恩恵...スタッフが語る川崎のACLエリート準優勝の裏側
【画像】小野伸二や中村憲剛らレジェンドたちが選定した「J歴代ベスト11」を一挙公開!