最大の悩みとチャーター機の恩恵...スタッフが語る川崎のACLエリート準優勝の裏側

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2025年08月01日

集中開催のメリット

練習場にも広がった良い雰囲気。大きなトラブルはなかったという。(C)J.LEAGUE

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 一方で、準々決勝以降はサウジアラビアで集中開催されたことで、これまでのホーム&アウェーでの対戦で起こりがちな“アウェーの洗礼”はほぼなかったという。

「スコールで練習できないとかそういう事態もなかったですし、会場自体もしっかり準備されていた。だから困ったことはそんなになかったですかね。いや、あったのかもしれないですが、そんなものだと、当たり前のように対応していたので、印象が薄いのかもしれません。

 ホテルの視察に行った際に、練習場も恐らくここを使うんだろうなという目ぼしも付け、結局はなかなか練習時間や場所が決まらない部分もありましたが、事前に大会側に訊かれていた希望も通りました。

 しかも、施設も限られていましたから。使用したスタジアムはふたつでしたし、練習場もそのサブグラウンド。準々決勝からなので集まったのは8チームで、AFCの管理下で特に“アウェーの洗礼”もなかった。だから、いろいろ大会として課題はあるのでしょうが、こうやって集中開催をするメリットもあるんだなとも感じました。やっぱり練習場所が3、4か所あったり、距離が離れていると大変じゃないですか。でも、今回は渋滞こそありましたが、それ以外は割とスムーズでした。そういう面は良かったですね。

 しかもうちは、コロナ禍でウズベキスタン(2021年)やマレーシア(2022年)で集中開催されたグループステージを経験していた。ひとつのホテルに泊まり、現地で数試合を戦った経験が改めて活きたとも感じました」

スタジアムに通じる道。設備は整っていた。(C)J.LEAGUE

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スタジアムの様子。(C)J.LEAGUE

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 ここでもクラブとしての積み重ねがACLE準優勝につながったと言えるのだろう。アジアの戦いは初挑戦であった今季就任の長谷部茂利監督も、ストックしてきたクラブのやり方を尊重してくれたという。

「シゲさんは監督として初めてのACLでしたので、ある程度任せてもらえた部分もあったんじゃないですかね。(シーズン初めの)リーグステージの2試合で、アウェーゲームも経験もでき、表現が難しいですが、他のコーチングスタッフも含め徐々に慣れていってくれた部分もあったと感じます。ですので、練習時間などは相談して進めていましたが、準備の面で特段、問題になったことはなかったかと思います。

 こうしたやり方は、これまでACLへの出場回数を重ねながら、アレンジしてきたもの。監督が代わったのは久々でしたが、言うなれば、これまで蓄積してきたやり方を信じていただいて、進めることができました。裏方も慣れている人が増えていたので、それが結果に直結したかは分からないですが、良かったと思います」

 そして清水にとってはさらにひとつ、ACLE準優勝につながる大きな出来事があったという。

(第3回に続く)

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

【第1回】川崎のACLE準優勝を支えたスタッフの“裏”体験記。クラブワールドカップに通じるアジアを勝ち抜くためのヒントとは

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