清武はセビージャで生き残れるのか? ライバルの加入と活躍でポジション争いは超熾烈

カテゴリ:海外日本人

工藤拓

2016年07月25日

清武にとっては持ち味のかぶるライバルが複数いる。

パリSGに旅立ったエメリの後釜に就いたサンパオリ。2列目の豊富のタレントをどう活かすのか、注目が集まる。(C)

画像を見る

 そのインサイドハーフはかなり中央寄りに位置しているため、常に他のMFたちのフォローを得ながらのパス交換が可能。しかも前方には3つのパスコース(トップ下と両ウイング)が用意されているため、周囲とのコンビネーションからスルーパス、もしくは自身がゴール前に侵入していくという、清武の持ち味が活かしやすいように思える。
 
 清武にとっての懸念は、同様のプレーを得意とするライバルが複数いることだ。
 
 この2試合で最も好印象を残したのはコレア。初戦は3−3−1−3と4−2−3−1のトップ下、2試合目は4−3−3の左インサイドハーフとしてそれぞれ45分間プレー。推進力のあるドリブル突破を主武器としながらも、ワンタッチで周囲を生かすプレーも随所に見せ、早くも左ウイングのコノプリャンカ、CFのケビンガメイロと息のあったコンビネーションを構築しつつある。現時点ではエンガンチェの第一候補と言えるだろう。
 
 バスケスはコレアほどの機動力はないものの、インサイドハーフで先発したインデペンディエンテ戦では身体を寄せられても確実にキープしながら展開を広げる技術と駆け引きの巧さ、そしてラストパスのセンスが目を引いた。
 
 ただ、ディフェンスへの切り替えが遅く、不用意に飛び込んでファウルを犯すシーンも目についただけに、インサイドハーフで起用するには守備意識の低さが懸念。ベストポジションはトップ下だろう。
 
 ガンソはトップ下が本職ながらも、昨シーズンまでエベル・バネガ(インテルへ移籍)が果たしていたビルドアップの中心となることを期待されている。
 
 ブラジル国外でのプレーは今回が初めてであり、とくに守備面でヨーロッパのプレースピードとインテンシティーに適応できるのかという不安はある。それでもサンパオリたっての希望で獲得した選手なだけに、当面は3−3−1−3と4-3-3ともにインサイドハーフの1枠を占める可能性が高い。
 
 さらにサラビア、ビセンテ・イボーラ、ステベン・エヌゾンジ、新戦力マティアス・クラネビッテル(A・マドリーから加入)らも加わってくる中盤のポジション争いは、かなり熾烈を極める。
 
 ただ、ポジティブに考えれば、これだけのタレントたちに囲まれたプレー環境は、かつてないほど清武の能力を引き出してくれる可能性を秘めているとも言える。
 
 いずれにせよ、ピッチに立たないことには何も始まらない。今はただ、あれこれと妄想を膨らませながら、清武の早期の回復と合流を願うばかりである。
 
文:工藤拓
【関連記事】
ホルヘ・サンパオリという男――清武弘嗣の新たなボスが持つ仰天エピソードの数々
清武の獲得は、敏腕SD“モンチ”の肝煎り。地元セビリアから懐疑的な声は一切聞こえてこない
イグアインと個人合意したユーベ。ナポリとは“値引き”が効く7月中の合意を目指す
内田と乾が体感した「違いすぎるスペイン人、リーガ勢の凄さ」。清武はセビージャで通用するのか?
イングランド代表新監督への期待の声!&アラダイスの“迷言”集

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ