BBCは、シティがここまでいかに過密スケジュールをこなしてきたかにも言及した。

　同局は「2024年８月10日のコミュニティ・シールド（対マンチェスター・ユナイテッド）から始まった325日間にもおよぶ長いシーズンがやっと終わった。昨年８月から、シティが戦った試合数は実に61試合。これはグアルディオラ体制下では最多タイの試合数だ」とし、過酷な１年だったと指摘した。大会後、選手たちは約４週間のオフに入り、８月16日に予定されているプレミアリーグ開幕戦（対ウォルバーハンプトン）に向けて再始動することになる。

　グアルディオラ監督も、来季に向けて不安を隠さない。

「できる限りの休養をとりたい。だが、11月から１月にかけて我々は苦境に立たされるかもしれない。チームは疲れ切っており、ワールドカップでは壊滅状態だった。どうなるか分からないが、これは人生で初めての経験だ」

　大会期間中、グアルディオラ監督が選手たちに丸１日の休みを与えたのはたったの一度だけだったという。しかし指揮官は、選手の家族を宿泊ホテル周辺に滞在させ、トレーニング後には家族たちと一緒に過ごす時間を設けて、精神的ケアに配慮していたようだ。
 

　シティはグループステージで唯一３戦全勝を達成したチームとなる。賞金や参加費などを合わせて約3780万ポンド（約76億円）を獲得したと報じられている。この金額には、１勝ごとに約150万ポンド（約３億円）、そしてFIFAが「競技成績および商業的価値」をもとに算出する参加費・約2790万ポンド（約56億円）が含まれている。

　クラブはウォルバーハンプトンからアイト＝ヌーリを約3100万ポンド（約62億円）で、リヨンからシェルキを約3050万ポンド（約61億円）で獲得しており、今回の賞金で移籍金の一部を回収した形だ。

　そう考えると、大会の収穫は確かにあった。新戦力の出来を確認できたのもポジティブな要素だった。

　だが、それが本当に「価値ある経験」だったのかどうか。その答えは、来季の戦いぶりによって明らかになるだろう。

取材・文●田嶋コウスケ

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