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【さいたまダービーの舞台裏】「結果を出せ!」。温厚な指揮官の言葉とマテウスが決めた衝撃ゴールの関係性

カテゴリ:Jリーグ

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2016年07月19日

「危機感を持ってプレーしないと、ピッチに立ち続けられない」

競争を煽りながら、一定のチーム力をキープ。“さいたまダービー”前日には、マテウスに強い言葉を掛けている。(C) SOCCER DIGEST

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 プレー面での同点ゴールの始まりがマテウスと宇賀神の接触だとすれば、このブラジル人の積極的な姿勢をより引き出したもうひとつの布石は、前日の渋谷洋樹監督の言葉なのかもしれない。
 
「マテウスは技術面でまだまだ足りないところがある。練習や練習試合でも、DFを抜いた後のフィニッシュの精度が物足りなかった。ただ、試合に出続ければ、得点したり、アシストできる選手だとは思っていた。
 
 なかなか出場時間を与えられなかったし、昨日も『結果が出なければ待っている選手はたくさんいる』と伝えた。『今日で結果を出せないと、順番待ちしているから、頑張って結果を出してくれ』と。
 
 きちんと結果を出してくれたし、今後につなげてくれればと思う。スピードがあってチャンスをたくさん作れるので、この試合だけで終わるのではなくて、そういう意識を持って取り組んでもらいたい」
 
 確かに、ポジションごとの競争を考えれば、指揮官の「順番待ち」発言には素直に頷ける。調子の良い選手、結果を出した選手が起用されるから、控えに回ったとしても誰もモチベーションを下げない。発破をかけられたマテウスもその意味を十分に理解している。
 
「チーム内の競争はすごく激しいので、チャンスをもらうのは難しい。特に前線の選手はリーグ戦でもカップ戦でも結果を残していて、起用された時にアピールできないとダメ。ドンドンと次の選手が出てくるし、危機感を持ってプレーしないと、ピッチに立ち続けられない。
 
 監督に期待してもらっている以上は結果にこだわりたい。今日のパフォーマンスで気を緩ませることなく、今まで以上に頑張って、レギュラーの座を掴まなければいけないと思っている」
 
 怪我人が出ても、コンディションが思うように上がらない選手がいても、調子を崩しても、誰かがその穴をしっかりと埋める。「常に全員の力が必要だ」と、時には厳しく、時には優しく、叱咤激励を繰り返す渋谷監督が追い込むようにマテウスへと掛けた言葉。
 
 それを受け止めて、しっかりとゴールを挙げたブラジル人ドリブラーは、これからもそのスピードとドリブルで、右サイドも自身のサッカー人生も切り拓いていくだろう。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

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