この話を聞いて、高校時代と大学時代の常藤を見て納得する部分が多かった。興國高時代、センターバックでコンビを組んでいた西川楓人(流通経済大)がディフェンスリーダーを務め、ラインコントロールやビルドアップの起点となりながら、積極的な前への飛び出しを強みとしており、常藤はどちらかというと西川のカバーリングやサポートをしながら、全体のバランスを整える役割を担っていた印象を受けた。
全体を見る目やスペースを見極め、そこを埋めたり、あえて空けておいてから入っていったりと、戦術眼と状況判断能力、そして細かい技術を身につけていった。大学に入ってからも引き続きセンターバックとしてプレーし、学年が上がるにつれて高校時代に西川がやっていた役割を自分がこなすようになり、さらに全体的な技術レベルとインテリジェンスが向上した。
そこに身長の伸びが止まり、フィジカルが伴ってきたことで、武器だったアジリティが復活し、「急に速くなった」という感覚を覚えたのだった。
加えて、ただ昔のアジリティが戻っただけでなく、そのスピードの中でこなせることが一気に広がった。足の速さだけではなく、考えるスピードもワンランクもツーランクも上がったことで、より速くなったという感触に繋がったのだ。
昨年は中央大ではセンターバック、デンソーカップチャレンジなどの選抜では右サイドバックでプレー。今年3月の第24回大学日韓定期戦では右サイドバックで出場し、終盤に左からのクロスを右からトップスピードで飛び込んで、豪快かつ鮮やかなワントラップシュートを突き刺して決勝弾を呼び込んでみせた。
大学日韓定期戦で決勝弾
今季は中央大でも右サイドバックをメインとしながらも、時折センターバックに入ってディフェンスリーダーとして全体を統率するマルチロールとなっている。
「僕はサイズがある方ではないので、プロで勝負するのはサイドバックがいいと思っていますが、チーム事情でセンターバックをやるのはポジティブで、センターバックをやっている時にサイドバックの立ち位置から逆算してポジションを取るなど、思考などがリンクするんです。さらに僕がセンターバックをやる時は、右サイドバックに1学年下の西岡隼平(興國の後輩でもある)が入るのですが、前への推進力やタイミングは参考になっています」
学ぶ姿勢も感性も鋭い常藤のもとには前述した通り、多くのJ1クラブが興味を示しているようだ。その数は今年の始めより増えており、日に日に周りが騒がしくなっていくなかでも、彼は平常心を崩さない。
「まずは自分の価値を高めたいです。もっと数字を残せる選手になりたいですし、その一方で僕はあくまでも選手なので、監督に求められることを、求められたポジションでやるだけなので、そこは一切ブレないでやっていきたいです」
興國高から中央大を経て、世界に飛び立っていった選手と言えば、古橋亨梧がいる。彼に続かんとする高性能サイドバックから決して目を離してはいけない。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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