「実は、他にも成長した選手がいます」
――そもそも、なぜ湘南でボランチからDFにコンバートされたの? 山口監督の狙いとは?
「それまで3-5-2のインサイドハーフやアンカーで起用されてきましたが、プロ初年度からセンターバックへの配置換えまでの約2年半、伸び悩んでいた面がありました。彼の元々のストロングはボールを扱う技術の高さでしたが、J1のプレースピードや強度への適応に苦しみ、中盤ではボールをロストする場面が散見されていました。
山口監督もそれを感じていたなかで『違う景色でプレーしてもらいたかった』と語っています。まずはプロの水に慣れる。そのために、360度の視野を確保しなければいけない中盤ではなく、後ろからのプレッシャーを受けにくく、守備でも前向きのアクションが多いセンターバックで、180度だけを見てプレーしてもらう。そして、いつか中盤に戻った時に、センターバックで身につけたものを武器に戦えるように、という狙いがあったようです。
山口監督には“選手のスペシャリティを引き出す”という育成の軸があり、淳之介選手のコンバートにも密接に関わっているように感じます。彼のテクニックをさらに伸ばし、プロの舞台で活かすためにはどうすべきなのか。その答えがセンターバックへのコンバートだったと。『センターバックで8番(中盤の攻撃的なポジション)と同じ仕事をしてほしい』という言葉もすごく印象深いです」
「それまで3-5-2のインサイドハーフやアンカーで起用されてきましたが、プロ初年度からセンターバックへの配置換えまでの約2年半、伸び悩んでいた面がありました。彼の元々のストロングはボールを扱う技術の高さでしたが、J1のプレースピードや強度への適応に苦しみ、中盤ではボールをロストする場面が散見されていました。
山口監督もそれを感じていたなかで『違う景色でプレーしてもらいたかった』と語っています。まずはプロの水に慣れる。そのために、360度の視野を確保しなければいけない中盤ではなく、後ろからのプレッシャーを受けにくく、守備でも前向きのアクションが多いセンターバックで、180度だけを見てプレーしてもらう。そして、いつか中盤に戻った時に、センターバックで身につけたものを武器に戦えるように、という狙いがあったようです。
山口監督には“選手のスペシャリティを引き出す”という育成の軸があり、淳之介選手のコンバートにも密接に関わっているように感じます。彼のテクニックをさらに伸ばし、プロの舞台で活かすためにはどうすべきなのか。その答えがセンターバックへのコンバートだったと。『センターバックで8番(中盤の攻撃的なポジション)と同じ仕事をしてほしい』という言葉もすごく印象深いです」
――選手のポテンシャルを引き出し、高める山口監督の手腕って、やっぱり凄いの?
「選手を飛躍させる、という面で素晴らしい手腕を持っていると感じます。選手個々の最大の特長は何なのか。また、ウィークポイントはどこなのかをしっかりと分析し、それぞれに課題を与える。分かりやすい例が淳之介選手のセンターバック起用であり、淳之介選手は与えられたポジションで結果を残した、つまり課題を乗り越えたからこそ、代表まで上り詰めました。
実は、他にも本職でないポジションを経験して成長した選手がいます。今季、10番でキャプテンを担っているフォワードの鈴木章斗選手は、1、2年目にインサイドハーフやウイングバックを経験し、苦手だった守備の手法やボールへの関り方を学んだことで、元から持っていた得点能力も活きやすくなり、存在感を高めました。
松村晟怜選手も同様で、高校時代はセンターバックでしたが、プロデビューは左ウイングバックで、今もサイドでプレーする機会が多い。攻撃への積極性や、特長である左足のキックのバリエーションを増やし、徐々に出場数を伸ばしています。
『どうすれば前線の選手に守備を捉えてもらえるのか、後ろの選手が攻撃を捉えてもらえるのかを大事にしている』(山口監督)との言葉通り、選手に新たな景色を見せて学んでもらう。そのためにポジションにはこだわらない、という理念が、多くの選手を飛躍させている要因なのではないでしょうか」
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「選手を飛躍させる、という面で素晴らしい手腕を持っていると感じます。選手個々の最大の特長は何なのか。また、ウィークポイントはどこなのかをしっかりと分析し、それぞれに課題を与える。分かりやすい例が淳之介選手のセンターバック起用であり、淳之介選手は与えられたポジションで結果を残した、つまり課題を乗り越えたからこそ、代表まで上り詰めました。
実は、他にも本職でないポジションを経験して成長した選手がいます。今季、10番でキャプテンを担っているフォワードの鈴木章斗選手は、1、2年目にインサイドハーフやウイングバックを経験し、苦手だった守備の手法やボールへの関り方を学んだことで、元から持っていた得点能力も活きやすくなり、存在感を高めました。
松村晟怜選手も同様で、高校時代はセンターバックでしたが、プロデビューは左ウイングバックで、今もサイドでプレーする機会が多い。攻撃への積極性や、特長である左足のキックのバリエーションを増やし、徐々に出場数を伸ばしています。
『どうすれば前線の選手に守備を捉えてもらえるのか、後ろの選手が攻撃を捉えてもらえるのかを大事にしている』(山口監督)との言葉通り、選手に新たな景色を見せて学んでもらう。そのためにポジションにはこだわらない、という理念が、多くの選手を飛躍させている要因なのではないでしょうか」
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