ネーションズリーグ終了後、ラポルタが待っていた動きが起きた。ウィリアムスの代理人がデコとコンタクトを取ると、加入条件をめぐって大筋合意に達したのだ。「ニコは我々が新たなに設計した給与体系においてCランクに置かれる」とスポーツ部門の関係者は説明する。つまり、ヤマルとペドリの下だ。

　もちろんあくまでバルサと選手の間での合意だ。どのような形でアスレティックを退団するかはこれから決めなければならない。幹部の中には、クラブ間の友好的な合意を期待する者もいれば、契約解除条項を行使すべきと主張する者もいる。さらにバルサにはもう一つの未解決問題が残っている。言うまでもなくファイナンシャル・フェアプレーだ。

　スカッドコスト（人件費＋移籍金償却費）のカットがその解決法の１つだが、「選手を売却するか、人件費を削減するかの２つの方法がある。あとは細かい部分を調整するだけだ」と幹部の１人は現在の状況を説明する。同じ情報筋によると、ジョアン・ガルシアの状況はすでに解決済みで、ウィリアムスを登録するためには、約2500万ユーロを調達する必要があるという。
 

　バルサは「アンス・ファティ＋給与の低い選手」の放出で工面したい考えだが、ハンジ・フリック監督がテア・シュテーゲンに「君の未来はバルサにない。カンプ・ノウから離れるべきだ」と説得することに成功すれば、事態は一気に好転する。

　ドレッシングルームでウィリアムスの加入を祝福する声が上がる中、カン・ノウのオフィスは忍耐を求めている。一方、アスレティックは一貫して沈黙を保っている。

　昨夏、何が起こったかは周知の通りだ。ホン・ウリアルテル会長がウィリアムスをビルバオに縛り付け、ラポルタのラブコールは空振りに終わった。

文●ファン・I・イリゴジェン（エル・パイス紙バルセロナ番）

翻訳●下村正幸

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