軸がないままでは個性が悪目立ちしてしまう
“ズルズルのざる蕎麦”とも表現できる緩さの出た失点シーンで、一人ひとりのミスや問題を指摘するのは簡単だが、90分を通して70%近くボールを握りながら、5バックのオーストラリアに対して有効な崩しができなかったこと、そして0-0で迎えた終盤に、少ないチャンスを狙う相手に付け入る隙を与えてしまったことなど、そこに至るプロセスにも大きな問題があった。
前回の3月シリーズで、すでに予選突破を決めていた日本にとってはFIFAランキングに大きく影響する公式戦の勝利と1年後のW杯に向けたテスト、その両方が求められる試合で、森保一監督としても葛藤があったことは間違いない。
堂安律や板倉滉、守田英正など本来の主力の大半を外し、若手を含むフレッシュな選手を加えた今回のメンバー編成に疑問はないが、ホームでも1-1の引き分けと苦戦したオーストラリア、しかも予選突破がかかる本気モードの相手に対して、スタメン組で最終予選の先発経験があるのは町田浩樹、この試合のゲームキャプテンを任された鎌田の2人だけというのは、チャレンジに振りすぎたのではないか。しかも、町田はアクシデントにより、前半いっぱいで瀬古と交代している。
もちろん、このメンバーでも早い時間帯にセットプレーや個人技によるスーパーゴール、相手のミスからでも1つゴールを奪えれば、オーストラリアを慌てさせることができただろう。ただ、連係面でお互いに探り探りの部分が多く、タイトに守ってくる相手にどうゴールを奪うかという絵を揃えにくく、ロジカルに勝利の道筋を描くのは難しい。
前回の3月シリーズで、すでに予選突破を決めていた日本にとってはFIFAランキングに大きく影響する公式戦の勝利と1年後のW杯に向けたテスト、その両方が求められる試合で、森保一監督としても葛藤があったことは間違いない。
堂安律や板倉滉、守田英正など本来の主力の大半を外し、若手を含むフレッシュな選手を加えた今回のメンバー編成に疑問はないが、ホームでも1-1の引き分けと苦戦したオーストラリア、しかも予選突破がかかる本気モードの相手に対して、スタメン組で最終予選の先発経験があるのは町田浩樹、この試合のゲームキャプテンを任された鎌田の2人だけというのは、チャレンジに振りすぎたのではないか。しかも、町田はアクシデントにより、前半いっぱいで瀬古と交代している。
もちろん、このメンバーでも早い時間帯にセットプレーや個人技によるスーパーゴール、相手のミスからでも1つゴールを奪えれば、オーストラリアを慌てさせることができただろう。ただ、連係面でお互いに探り探りの部分が多く、タイトに守ってくる相手にどうゴールを奪うかという絵を揃えにくく、ロジカルに勝利の道筋を描くのは難しい。
森保監督はフレッシュな選手を送り出す時に、自分の武器を思う存分出してほしいと常々口にするが、少なくとも半数は主力を混ぜておかないと、チームの軸がないまま、ある種、個性が悪目立ちしてしまう。そこをコントロールするためのキャプテン遠藤航の招集とも見ていたのだが...。
結果的に初招集でスタメンに抜擢された俵積田晃太と平河など、フレッシュなスタメン組にとっては苦い経験の度合いが強い試合になってしまったが、時計の針を戻すことはできないので、ここからの糧にしていってほしい。
10日に行なわれるホームのインドネシア戦はFIFAランキングのポイントを挽回する意味でも、最終予選の締めくくりとしても、森保監督にはシビアな決断が求められる。
文●河治良幸
【記事】「上手い選手が付ける番号なので」久保建英が“10番”着用に本音。驚きのベンチスタートには「僕が決めるわけじゃないんで…」
【記事】「本当に凄まじい選手だ」日本撃破の豪州代表キャプテンが絶賛した森保ジャパン戦士は?「全てにおいて素晴らしい」【現地発】
【記事】日本代表が“勝つ気のない相手”に負けるなど許されない。「ベタ引き恐怖症」のままではW杯優勝など夢物語だ【担当記者コラム】
結果的に初招集でスタメンに抜擢された俵積田晃太と平河など、フレッシュなスタメン組にとっては苦い経験の度合いが強い試合になってしまったが、時計の針を戻すことはできないので、ここからの糧にしていってほしい。
10日に行なわれるホームのインドネシア戦はFIFAランキングのポイントを挽回する意味でも、最終予選の締めくくりとしても、森保監督にはシビアな決断が求められる。
文●河治良幸
【記事】「上手い選手が付ける番号なので」久保建英が“10番”着用に本音。驚きのベンチスタートには「僕が決めるわけじゃないんで…」
【記事】「本当に凄まじい選手だ」日本撃破の豪州代表キャプテンが絶賛した森保ジャパン戦士は?「全てにおいて素晴らしい」【現地発】
【記事】日本代表が“勝つ気のない相手”に負けるなど許されない。「ベタ引き恐怖症」のままではW杯優勝など夢物語だ【担当記者コラム】