つまりはすべてのシュートを止めてやるという気概
ビルドアップはじめ足もとのプレーにも自信を持つだけに、今季取り組んでいる着実なつなぎからの前進でもプラスアルファの働きを見せ、かつロングキックの飛距離もあるので、つなぐと見せかけてゴール前からハーフラインを超えて相手ディフェンスラインの背後までボールを送れてしまう。
名古屋の前線には言わずもがな永井謙佑がおり、詰まっていると思ったら一気に背後を取られるだけでなく、セカンドボールを拾っての二次攻撃、ファストブレイクの起点にもなるから効果は絶大だ。
シュミット自身はといえば、そういった部分はあくまでもオプションとして、己の本分を忘れることがない。前述の“余裕あるビッグセーブ”についても苦笑交じりにこう語り、GK道の奥深さを感じさせる。
「僕の中では精一杯やっているんですよ(笑)。だからある意味、僕にとってはそれが課題で。もっとギリギリで手を伸ばしきって触っているとか、そういうセーブがあんまり自分はない。あまり試合の中で起きたら良くはないけど、出てほしい時にそれが出せるようにというのは課題として僕は抱えています」
その視点で振り返れば、ここまでの公式戦3試合で彼が見せたビッグセーブとなると、宮崎戦の一本ぐらいということか。もしかするとこれですら、「ギリギリで」とは言えないのかもしれない。
名古屋の前線には言わずもがな永井謙佑がおり、詰まっていると思ったら一気に背後を取られるだけでなく、セカンドボールを拾っての二次攻撃、ファストブレイクの起点にもなるから効果は絶大だ。
シュミット自身はといえば、そういった部分はあくまでもオプションとして、己の本分を忘れることがない。前述の“余裕あるビッグセーブ”についても苦笑交じりにこう語り、GK道の奥深さを感じさせる。
「僕の中では精一杯やっているんですよ(笑)。だからある意味、僕にとってはそれが課題で。もっとギリギリで手を伸ばしきって触っているとか、そういうセーブがあんまり自分はない。あまり試合の中で起きたら良くはないけど、出てほしい時にそれが出せるようにというのは課題として僕は抱えています」
その視点で振り返れば、ここまでの公式戦3試合で彼が見せたビッグセーブとなると、宮崎戦の一本ぐらいということか。もしかするとこれですら、「ギリギリで」とは言えないのかもしれない。
補足すれば、彼は逐次のポジショニング修正を細かく行なっているタイプのゴールキーパーで、セーブを簡単に見せる手合いだ。これは楢﨑、そしてランゲラックにも通ずるビッグセーバーの特徴で、身体能力やサイズだけでなく、彼らはみな防げる範囲が広く、またその防げる範囲を常に動かし、自分の“セーブ圏”を最大に保つ。
シュミットはそのうえで「ギリギリで手を伸ばしきって」と言うのだから、つまりはすべてのシュートを止めてやるという気概なのだろう。
背番号1の不在を支えた武田洋平の名誉のために言えば、開幕6戦の相手はどれも強力なチームばかりで、彼のところに様々なしわ寄せが行っていた部分は否めなかった。勝てないことですっかり自信を失っていた守備陣をその存在で変えてしまったシュミットは、だからこそ凄みも感じるわけだが、そこには長谷川監督のマネジメントも感じるところ。
陥った苦境に対し、そして自信喪失のDF陣に対してどこで歯止めをかけるかというところで、J3の宮崎を相手にシュミットを間に合わせて試運転を済ませ、リーグ中断でリカバリーも十分に昇格組の横浜FCとホームで対戦、横浜FMは油断などできない相手だったが、昨季に確立していた対策は相手の指揮官が変わってもまだ生きており、「言うことない」と振り返るほどの好ゲームに仕立て上げている。
これらは言ってしまえば絵に描いた餅だが、その賭けに名古屋の指揮官は勝った。そしてその賭けに勝つにあたって、キーマンのシュミットがきっちり仕事をしてくれたのだから、名将のしぶとさには恐れ入る。
【画像】ゲームを華やかに彩るJクラブ“チアリーダー”を一挙紹介!
シュミットはそのうえで「ギリギリで手を伸ばしきって」と言うのだから、つまりはすべてのシュートを止めてやるという気概なのだろう。
背番号1の不在を支えた武田洋平の名誉のために言えば、開幕6戦の相手はどれも強力なチームばかりで、彼のところに様々なしわ寄せが行っていた部分は否めなかった。勝てないことですっかり自信を失っていた守備陣をその存在で変えてしまったシュミットは、だからこそ凄みも感じるわけだが、そこには長谷川監督のマネジメントも感じるところ。
陥った苦境に対し、そして自信喪失のDF陣に対してどこで歯止めをかけるかというところで、J3の宮崎を相手にシュミットを間に合わせて試運転を済ませ、リーグ中断でリカバリーも十分に昇格組の横浜FCとホームで対戦、横浜FMは油断などできない相手だったが、昨季に確立していた対策は相手の指揮官が変わってもまだ生きており、「言うことない」と振り返るほどの好ゲームに仕立て上げている。
これらは言ってしまえば絵に描いた餅だが、その賭けに名古屋の指揮官は勝った。そしてその賭けに勝つにあたって、キーマンのシュミットがきっちり仕事をしてくれたのだから、名将のしぶとさには恐れ入る。
【画像】ゲームを華やかに彩るJクラブ“チアリーダー”を一挙紹介!