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「全盛期のアンリを彷彿させる」プレミアで19得点のイサクをエキスパートが徹底解剖!レジェンドになれる器か――【エキスパート超分析】

カテゴリ:ワールド

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2025年04月01日

過去のレジェンドたちとすでに肩を並べる水準

このイブラと並び称されるレジェンドになるには、W杯で「国民的英雄」級の活躍が必要だろう。イサクにとって来年の26年大会はその意味で重要だ。(C)Getty Images

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 ビルドアップ時には2ライン(DFとMF)間に下がってポゼッションに関与することで数的優位を作り出し、あるいはサイドに流れてパスを引き出し、そこからゴールに向かってドリブルで仕掛けたり、コンビネーションでエリア内に入り込んだりする動きも見せる。特筆すべきは、そうした状況でのプレー選択が的確で、周囲と連携しながら局面を進める戦術眼にも長けていること。サイドや2ライン間で前を向いても、強引に仕掛けるよりは周りを使って局面を打開しようとする意識が強い。もちろん、コースが見えた時には思い切り良くシュートを打つ積極性も備えている。
 
 そうした戦術センスに加えて、ゴール前での得点感覚の高さもイサクの大きな長所だ。流動的な動きを見せながらも、攻撃の最終局面においてはタイミング良くペナルティーエリアに入り込んでプレゼンスを発揮し、的確なポジショニングで巧みにマークを外してフィニッシュに絡んでいく。事実、ペナルティーエリア内での得点シーンに目を向けると、その多くはマークを受けずフリーでシュートを打っている。スマルカメント(マークを外す動き)の感覚が優れている証だ。
 
 シュートはパワーよりも精度を重視するタイプで、コースを見出して正確なインサイドキックでボールを送り込む。リバウンドやこぼれ球を押し込む形での得点も少なくない。空中戦にも強く、クリーンなゴールも泥臭いゴールも決めることができるのも強みだ。
 
 これだけのクオリティーを備えているにもかかわらず、これまでそれが十分に開花しなかったのは、すでに触れたようにメンタル面の安定や成熟が遅い晩成型のプレーヤーであることが理由だろう。現在見せているパフォーマンスを、今後も安定して発揮できるレベルに到達すれば、ニューカッスルからさらにもう1つ上、CL優勝を狙うメガクラブでも十分に通用するだろうし、スウェーデン代表でも不動の中核を担う存在になれるはずだ。絶対的なクオリティーという点では現時点でも、トーマス・ブロリン、マルティン・ダーリン、ヘンリク・ラーションといった過去のレジェンドたちと、肩を並べる水準に到達している。あとはそれをどれだけコンスタントに発揮できるか、その一点だけだ。
 いま名前を挙げたレジェンドたちの共通点は、スウェーデン代表での活躍によってその地位を確立したこと。スウェーデンのような中堅国では、W杯やEUROのような大舞台での躍進にどれだけ貢献したかが、歴史的な評価を大きく左右する。その点でイサクが彼らと同様に長い間語り継がれるレジェンドになれるかどうかは、クラブでの実績以上に代表での活躍が鍵になるだろう。
 
 ちなみにスウェーデンには、ズラタン・イブラヒモビッチというカリスマ性あふれる絶対的なレジェンドがいる。イサクは、リーダーシップやパーソナリティーという観点から見て、イブラヒモビッチのように強烈なエゴの持ち主、生来のリーダーではなく、むしろグループの一員として担う責任を真摯に果たすタイプ。イブラヒモビッチと並び称されるレジェンドになるためには、それこそW杯での大躍進で主役を演じ「国民的英雄」になるくらいの活躍が必要かもしれない。
 
 いずれにしてもイサクにとっては、ここからの数年が評価を左右する重要なフェーズになる。来年のW杯がひとつの節目と位置付けられるのは間違いなく、現在のパフォーマンスを引き続き維持できるかが、クラブにおいても代表においても、そのキャリアを決定づける重要なファクターになるはずだ。
 
 とくに代表においては、9月にスタートするW杯予選でスイス、スロベニアという強敵と同居するグループを勝ち上がり(あるいは最悪でもプレーオフを制して)母国を本大会に導けるか、そしてその本大会で歴史に残るような活躍を見せられるかが、「レジェンドの条件」になってくるだろう。
 
文●ロベルト・ロッシ
翻訳●片野道郎
 
【分析者プロフィール】
ロベルト・ロッシ(Roberto ROSSI)/1962年3月24日生まれ。MFだった選手時代は名将サッキや元日本代表監督のザッケローニに師事し、97年に引退。01 ~07年はラツィオやインテルでザッケローニのコーチ兼スカウト。その後はイタリアの下部リーグや女子チームを率い、24年5月からチェゼーナで発足した地域育成クラブ連合のテクニカルディレクターを務めている。
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2025年3月20日号の記事を加筆・修正

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