ボールを持って戦う自分たちに自信を持って開幕を迎えたが...
だがキャンプも二次に突入すると、選手たちの言葉にやや変化が出てきた。「今年はつなぐことに力を入れているので」。それまで見てきた保持の概念とは明らかに異なる感覚に少し違和感を覚えながらも、しかし練習試合では東京ヴェルディや浦和レッズにしっかりと勝ちきる戦いを演じ、失点も少なく前線の選手の得点も多く、良い手応えを得てキャンプを終了。
アピールに成功した大学3年生で、プロ契約に至った逸材・加藤がスタメン組でプレーし続けていたことでも、ボールを持って戦う傾向は強まり、開幕直前の非公開で行なわれたジュビロ磐田との練習試合でも内容は良かったとのことで、名古屋はボールを持って戦う自分たちに自信を持って開幕を迎えていたことになる。
それが開幕戦で川崎の猛攻を浴び、まず自信に慢心が含まれていたことに気づかされた。「キャンプから磐田戦でもあまり先制点でやられてきてなかったから、そこでみんなが『うっ』てなっちゃって。それが4失点してしまった原因の一つかなとは思う」とはGK武田洋平の言。
あれよあれよと食らった4失点のショックは大きく、続く2節はヴィッセル神戸とやり合ったものの2失点、3節のFC東京戦では3失点、4節で町田にも2失点を喰らい、計11失点はもちろんリーグワーストの数字だ。
キャンプ中に負傷した三國ケネディエブスの調子が上がってこないこともあり、カバーリングやシュートブロックなど、最後の瞬間の守備力が落ちていることも否めない。
この失点数に対し得点数は4と、そこまで悪くはないものだが多くもない。直接FKが1、PKが1、FKからのものが1、流れの中から奪ったものが1とほとんどがセットプレーというのもやはり悪くはないが、FWの得点がないのは指揮官も指摘するところで、それはつまりチームが意図する攻撃ができていないという意味にもなってくる。
アピールに成功した大学3年生で、プロ契約に至った逸材・加藤がスタメン組でプレーし続けていたことでも、ボールを持って戦う傾向は強まり、開幕直前の非公開で行なわれたジュビロ磐田との練習試合でも内容は良かったとのことで、名古屋はボールを持って戦う自分たちに自信を持って開幕を迎えていたことになる。
それが開幕戦で川崎の猛攻を浴び、まず自信に慢心が含まれていたことに気づかされた。「キャンプから磐田戦でもあまり先制点でやられてきてなかったから、そこでみんなが『うっ』てなっちゃって。それが4失点してしまった原因の一つかなとは思う」とはGK武田洋平の言。
あれよあれよと食らった4失点のショックは大きく、続く2節はヴィッセル神戸とやり合ったものの2失点、3節のFC東京戦では3失点、4節で町田にも2失点を喰らい、計11失点はもちろんリーグワーストの数字だ。
キャンプ中に負傷した三國ケネディエブスの調子が上がってこないこともあり、カバーリングやシュートブロックなど、最後の瞬間の守備力が落ちていることも否めない。
この失点数に対し得点数は4と、そこまで悪くはないものだが多くもない。直接FKが1、PKが1、FKからのものが1、流れの中から奪ったものが1とほとんどがセットプレーというのもやはり悪くはないが、FWの得点がないのは指揮官も指摘するところで、それはつまりチームが意図する攻撃ができていないという意味にもなってくる。
ここでようやく思い出されるのが、保持への意識の持ち方である。彼らはいま、保持からの崩しになぜか固執している。キャンプ序盤にあれだけ意識させられてきたはずの、“背後を取るための保持”はここまでほぼ見られず、ではシンプルな速攻がどれだけあったかと言えば数えるほど。1試合に何度、永井や和泉竜司らが背後に抜け出し、ボールが出てこないことへの不満をあらわにするシーンに出くわすことか。
町田戦の試合後、永井は攻撃の優先順位について言及し、自分の動き出しにも反省点を見出しながらも「まずはオフサイドでもいいから出せばいい」と要求した。足もとから背後への選択肢の取り直しはまず不可能で、その逆はむしろ自然だ。
そこから始めるべきだというのは、その試合のハーフタイムで長谷川監督が前半のリプレイ映像を見せ、「永井が良いタイミングで走っていて、使えなかったシーンがあった。こういうところをうまく使っていこうよ」と選手に伝えていることでもよく分かる。
動き出しが見えているのか、見えていないのか、それは確かめようのない部分だが、実際に出てこない理由と、試合の様子を見ていれば分かることはある。まずはつなぐことを考えているから、そもそも前を見ていないのではないか。そして思う。どこで歯車は狂ってしまったのか。
町田戦の試合後、永井は攻撃の優先順位について言及し、自分の動き出しにも反省点を見出しながらも「まずはオフサイドでもいいから出せばいい」と要求した。足もとから背後への選択肢の取り直しはまず不可能で、その逆はむしろ自然だ。
そこから始めるべきだというのは、その試合のハーフタイムで長谷川監督が前半のリプレイ映像を見せ、「永井が良いタイミングで走っていて、使えなかったシーンがあった。こういうところをうまく使っていこうよ」と選手に伝えていることでもよく分かる。
動き出しが見えているのか、見えていないのか、それは確かめようのない部分だが、実際に出てこない理由と、試合の様子を見ていれば分かることはある。まずはつなぐことを考えているから、そもそも前を見ていないのではないか。そして思う。どこで歯車は狂ってしまったのか。