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開幕4戦未勝利で最下位の名古屋。どこで歯車は狂ったのか。何のためのボール保持なのか。いずれにせよ“縦への速さ”が突破口に

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2025年03月05日

ロングスローを連発。ただただ焦っている

開幕戦は川崎に4失点大敗。自信に慢心が含まれていたことを気づかされた。(C)SOCCER DIGEST

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 何のためにサッカーをするのかと言えば、プロフェッショナルのピッチにおいては何を置いても勝つためである。それ以外の答えはまず存在しない。

 フットボールの世界にはしばしば“美しく負ける”まさしく美学が取りざたされることもあるが、それとて勝利へのアプローチをおろそかにしているわけではない。そう語る人々が望んでいるのは、美しく勝つことであり、それが最上だからこそ、泥臭い勝ち方ならばと注釈がつく。

 ところで現在開幕4試合勝ちなしの名古屋グランパスはと言えば、美しいと言うにはやや物足りず、かと言って泥臭く勝ちに行くことがあるかと言えば、そこまででもない。

 前節のFC町田ゼルビア戦(1-2)では、後半に徳元悠平のロングスローを連発し、とにかくゴールに迫ろうと努力をしていたが、それが泥臭いかと言えば違う印象を受けた。

 ただただ焦っている。長谷川健太監督にそのことを問えば、「落ち着きを持ちながら戦ってもらいたいという話をしたが、後半ああいう展開になり、どうしてもシンプルにゴールを目ざすという、ホームで勝点3を取りたいっていう選手の気持ちも分からんでもない」と声のトーンを落とした。

 遮二無二に攻める時間帯、がむしゃらなゴールへの向かい方、それが実際のピッチ上の力関係とかみ合っていないことは、この4試合における名古屋の不具合と重なるところがある。
 
 なぜこうなってしまったのか。違和感は沖縄でのキャンプ中盤から感じてはいた。おそらく史上最も早い1月6日のチーム始動から、指揮官はかなり強度の高いトレーニングをチームに課し、1週間後のキャンプインからはかなり早い段階で戦術練習を始めている。

 今季の補強の傾向は、手薄だったポジションへの中堅選手を中心とした獲得と、チームが求めるインテンシティを確保しつつ、ボールを保持した時に力を発揮できるタイプの確保にあったと見ることができる。宮大樹、原輝綺、佐藤瑶大、そして加藤玄らはその最たるもので、彼らのもたらすポゼッション思考とそのスキルは、確かなプラスアルファとして明確だった。

 ただ、チームは軸をぶらすことはなかった。ポゼッションと聞いてイメージするのは、保持しながら前進していく美しいフットボールだが、長谷川監督が伝えたのは「いかに背後を取るか」という部分に連なるボールの保持だった。

 ボールを奪われず、縦に急ぎすぎることなく、ボール回しと前線の動き出しをシンクロさせていく。出し手側は動き出しを見逃さない保持の仕方を、受け手側はボールの動きに合わせた動き出しを。

 これは昨季にも言えたことだが、永井謙佑、山岸祐也、キャスパー・ユンカー(現在は負傷中)、マテウス・カストロ、浅野雄也と揃う名古屋の前線は、数的不利でも突破できてしまうぐらいの強力な能力を保有している。彼らにいかに勝負をさせるかは、初めから彼らが持っているアドバンテージ、質的優位の最たるものだ。

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