【浦和】連敗は止めたが…。槙野と森脇の見解の相違から浮かぶ「未解決問題」

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2016年06月23日

「前半は怖がれるプレーができていなかった」と槙野。一方、森脇は……。

遠藤と阿部が失点に絡む。3試合連続ファーストシュートを決められた守備は課題だ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

柏木が最近の中ではチャンスに絡む回数が多かった点は好材料に挙げられる。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 森脇は言う。
 
「むしろ、攻撃に関しては、後半よりも前半のほうが良いサッカーができていたのではないかと思う。最近にない、良いコンビネーションを見せられていた」
 
 槙野とはやや異なる見解だ。
 
 実際、浦和は前半だけで5回の決定機を作っていた。森脇の言うとおり、左の宇賀神友弥から中央を経由し、右の関根貴大まで展開してシュートを打つという、今季あまり見られずにいた浦和の数的優位を生かすコンビネーションも見られた。

 また、柏木陽介が高い位置でボールを持ち、李忠成への決定的なスルーパスや、右サイドへの展開からもビッグチャンスを作った。本調子とは言えないながらも、背番号10がチャンスに絡んだ回数は、この4連戦の中で最も多かった。
 
 もちろん、それでも前半はノーゴールに終わったのは事実。ただし、チャンスの形ができていたという点は、確かに次につながる好材料に挙げられるだろう。
 
 だから、槙野の言う通り「怖さがなかった」のは確かだし、森脇の言うように「良いコンビネーションはできていた」とも言えた。
 
 シュート数は19対8と、浦和のほうが大きく上回っている。ペトロヴィッチ監督はそのあたりについて説明する。
 
「前半は多くのチャンスを作れていたが決め切れず、相手に少ないチャンスをモノにされた。後半、我々は引き続きチャンスを作って3点を奪い、相手のチャンスは少なくポストにシュートが弾かれた。チャンスがゴールにつながる割合を考えれば、勝利は妥当だった」
 
 後半に入り、ストッパーの槙野が、ムリキに対応しつつも、基本的にはフリーマンになって攻撃に加わった。そして、CB丸山祐市に競り勝ってのヘディング弾に、ギャップを突いての豪快なミドル弾――。高い能力を持っていることを印象づけるとともに、気持ちのこもった2ゴールを叩き込んでみせた。
 
 とはいえ、やはり槙野が攻撃参加するのは、試合の流れを“壊す”あくまでスクランブル態勢だ。今回は、縦横に汗をかいて走り浦和陣内のスペースを突いていたバーンズからポストタイプの前田遼一に代え、なぜか中央の森脇寄りのサイドに置くという、FC東京の城福浩監督の采配に“助けられた”面も少なからずあった。槙野の攻撃参加をむしろ助長した。
 
【関連記事】
【J1採点&寸評】浦和×FC東京|“調子が悪い”両者を物語る展開。浦和がシュート19本と攻め抜き大逆転
【浦和】2点差からの大逆転で、ついに連敗を止める。古巣から決勝点の李忠成が「奇跡の時間を共有できて嬉しい」
浦和が0-2から逆転勝利!槙野2発で追いつき、李の決勝点でFC東京を撃破
守備職人・今野が指摘した浦和の欠点。「いつも、こんな感じ。バランスはいいが…」
【セルジオ越後】山口蛍の移籍は、ビジネス的に大失敗。「ドイツ短期留学」だったね
中村俊輔、遠藤保仁、小野伸二…を超える「最も衝撃を受けた」と鈴木啓太が引退記者会見で明かした“意外”な選手とは?

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ