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欧州中堅の中下位クラブ移籍が「ステップアップ」と呼べるのか。Jリーグのレベルは間違いなく上がった。その場に留まる勇気も必要だ

カテゴリ:海外日本人

吉田治良

2025年02月23日

きっと「ファーストステップ」はどこだって構わない

STVVからプレミアリーグ屈指の名門にステップアップした遠藤と冨安(右)。(C)Getty Images

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 とはいえ、どのタイミングで、どのリーグを選択するのが「ステップアップ移籍」と呼べるのか、その正解は言ってしまえば人それぞれであり、将来的に手にする結果次第だ。同じくベルギーへと旅立った坂本一彩(21歳/ガンバ大阪→ウェステルロー)や保田堅心(19歳/大分トリニータ→ヘンク・セカンドチーム)は、早くもレギュラーポジションを獲得しているし、小森にしても現段階で成否を論じるのは早計に過ぎる。

 繰り返しになるが、人間性が磨かれるという意味で、それだけでも海を渡る価値はある。そして、仮に将来のビッグクラブ行きを最終目標に掲げているのであれば、少なくとも日本でプレーしているよりは、欧州の市場で多くの人の目に留まりやすいという地理的なメリットも享受できる。

 Jリーグを経ず、高卒でプレミアリーグ(サウサンプトン)に飛び込む17歳の高岡伶颯の決断も、ヴィッセル神戸のレギュラーの座を捨て、「小さい頃からの夢であったヨーロッパでプレーするチャンスがあるのに、チャレンジしない理由がなかった」と言って、イングランド2部のシェフィールド・ウェンズデイへの移籍を決めた27歳の初瀬亮の夢も、等しく尊重する。
 
 オランダ、トルコ、ベルギー、そして今や日本人選手の大きな受け皿となっているイングランド2部のチャンピオンシップでも、あるいはオーストラリアのAリーグやMLSでも、誤解を恐れずに言えば、きっと「ファーストステップ」はどこだって構わない。

 大切なのは、明確な将来のビジョンを持っているどうかであり、そこに辿り着くためにどういったプロセスを踏むべきかをプランニングできているかどうかだ。「ファーストステップ」よりも、問われるのはそこから大きくジャンプするための「セカンドステップ」のジャッジに他ならない。

 25歳の夏にSTVVに移籍し、そこからドイツへ渡ってシュツットガルトで実力を蓄え、そしてリバプールへと羽ばたいていった遠藤航、19歳という若さで同じくSTVVに加入し、その後セリエAの中堅クラブ、ボローニャで定評を確立してアーセナル入りを実現した冨安健洋。彼らの成功例も、セカンドステップの重要性を証明しているだろう。

 こうした身近にある日本人プレーヤーの成功例も参考に、とにかく次に踏み出すタイミングと、踏み出すステップの幅を誤らないことだ。そのためにも現在の自分のレベルを、常に正確に把握しておくこと。そして、今がその時ではないと判断すれば、その場に留まる勇気も必要だ。

 この冬、Jリーグから海外に飛び立っていった挑戦者たちに、いつか「あのファーストステップは正解だった」と振り返れる日が訪れることを、切に願っている。

文●吉田治良

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