オランダの屈強なDF相手に、空中戦で競り勝つ塩貝を観ていると、大男のような錯覚を覚えるが、今、目の前に立つ塩貝は周りのオランダ人記者と比べても大柄の部類には入らない。今、身長は？　と尋ねると「178センチくらいです」と返ってきた。

――ヨーロッパのストライカーとしては高くはないじゃないですか

「オランダだと低いです（笑）」

　ブライアン・リンセンの身長は公称170センチ。アルメレ・シティ戦の彼は調子が良くはなかったが、相手DFへの身体のぶつけ方、間合いの取り方、プレスのかけ方など、塩貝が盗めるものがたくさんあると、私は感じていた。

「リンセンは僕と似ている部分がある。リンセンもどちらかというと走力を武器にしているし、すごくいい選手がチームに入ってきたと思います」

　リンセンとは話をすることがあるのだろうか？

「『浦和が今日、試合だ』とか話します。たまにプレーの話もします。でもお互い同じポジション。競争があるし、そこまで慣れ慣れしているわけではない。しかしプレーを観れば盗める部分もある。僕から聞きに行ったらいつも答えてくれる」
 

　試合形式の練習では、控え組のストライカーを塩貝が、トップ下をリンセンが務めることが多いという。そこで「どういう動きをしたらいいのか？」と質問すると「そういう場面ではこう動いてくれ」と答えが返ってくるのだという。この“Bチーム”にはアヤックス時代、CLで大活躍したMFラッセ・ショーネもいる。なかなか贅沢な控え組だ。

「でもスタメンで出たいので“Aチーム”“に行きたい。今日みたいな試合で点を取るしかないです。たとえ時間が短くても」

　今季のリーグ戦で塩貝に与えられた出場時間は１試合あたり11分。実際は10分未満の試合が多い。しかしPSVにはリカルド・ペピというチーム内序列2番目の選手が結果を残している。彼はルーク・デ・ヨングの控えとしてコツコツと結果を出しながら、徐々にスタメンの回数を増やしていき、一時は得点ランキング1位に立った。残念ながら負傷により、ペピの復帰は来季になるが、ここまで彼が叩き出した11ゴールという数字は立派なものだ。

　キラリと光るストライカーがしのぎを削るオランダリーグ。チーム内外に、塩貝が技を盗めるストライカーはたくさんいる。

取材・文●中田 徹

【画像】９頭身の超絶ボディ！ 韓国チア界が誇る“女神”アン・ジヒョンの魅惑ショットを一挙チェック！

【画像】“世界一美しいフットボーラー”に認定されたクロアチア女子代表FW、マルコビッチの魅惑ショットを一挙お届け！