そんななかで私が優勝候補筆頭に挙げたいのが鹿島だ。
二桁得点を計算できるFWレオ・セアラを獲得できたことも大きいが、昨季まで川崎を率いて7つの国内タイトルを獲得した鬼木達監督の招聘こそ、今オフ最大の補強と言えるだろう。昨年からオファーを出していたらしいが、中田浩二がフットボールダイレクターとなって交渉に成功した。
最近の鹿島は、毎年のようにコロコロと監督を交代してきたが、鬼木監督は鹿島イズムを知る指揮官だ。
戦力的には、神戸、広島の2強はもちろん、浦和や名古屋にも見劣りする。しかし、最終ラインが安定し、ノーリスクを貫き通せば可能性は十分にある。
優勝に推す材料は、鬼木監督の招聘だけではない。リーグ1本に集中できるのも大きなメリットだ。神戸、広島、町田のACLチームは過密日程が負担となる。クラブ・ワールドカップに出場する浦和も同様にハードスケジュールがネックとなるだろう。
アントラーズらしさとは何か? その答えは、「1点を取ったら盤石なサッカーできる」ことだ。そのためには、時間の使い方、ボールの位置など、ベンチを含めて全員が共有できていることが大切だ。
2連覇している神戸も、かつての鹿島のように、一致団結・ファミリーに見える。武藤、大迫などが必死になっている姿を見て、若手も頑張る。相乗効果が優勝という結果として表われている。
昨季の鹿島が失点が多かったのは、まさにその意識が欠けていたからだ。終盤戦でOBの中後雅喜がチームを指揮したが、基本に立ち戻って守備の意識や戦う姿勢などを植え付けた。残り5試合は可能性を感じた。もっと早くできていれば優勝争いができていたかもしれない。
ピッチで表現するのは選手だ。鈴木優磨のような気持ちのこもったプレーができる選手が、チームに20人いなければタイトル奪取は難しいだろう。
鹿島が優勝した時は、失点が少なく、1-0で勝つサッカーができていた。そのアントラーズの伝統である「守備の意識」を鬼木監督が植え付けることができるか。その手腕とともに、ピッチ上の指揮官として、柴崎岳と植田直通のマネジメント力にも期待したい。
ノーリスクを貫き通せば可能性は十分にある
以下は本田氏のJ1順位予想。
1.鹿島アントラーズ
2.サンフレッチェ広島
3.ヴィッセル神戸
4.名古屋グランパス
5.ガンバ大阪
6.川崎フロンターレ
7.浦和レッズ
8.FC町田ゼルビア
9.横浜F・マリノス
10.清水エスパルス
11.東京ヴェルディ
12.FC東京
13.京都サンガF.C.
14.柏レイソル
15.アビスパ福岡
16.セレッソ大阪
17.アルビレックス新潟
18.横浜FC
19.湘南ベルマーレ
20.ファジアーノ岡山
【著者プロフィール】
本田泰人(ほんだ・やすと)/1969年6月25日生まれ、福岡県出身。帝京高―本田技研―鹿島。日本代表29試合・1得点。J1通算328試合・4得点。現役時代は鹿島のキャプテンを務め、強烈なリーダーシップとハードなプレースタイルで“常勝軍団”の礎を築く。2000年の三冠など多くのタイトル獲得に貢献した。2006年の引退後は、解説者や指導者として幅広く活動中。スポーツ振興団体『FOOT FIELD JAPAN』代表。
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1.鹿島アントラーズ
2.サンフレッチェ広島
3.ヴィッセル神戸
4.名古屋グランパス
5.ガンバ大阪
6.川崎フロンターレ
7.浦和レッズ
8.FC町田ゼルビア
9.横浜F・マリノス
10.清水エスパルス
11.東京ヴェルディ
12.FC東京
13.京都サンガF.C.
14.柏レイソル
15.アビスパ福岡
16.セレッソ大阪
17.アルビレックス新潟
18.横浜FC
19.湘南ベルマーレ
20.ファジアーノ岡山
【著者プロフィール】
本田泰人(ほんだ・やすと)/1969年6月25日生まれ、福岡県出身。帝京高―本田技研―鹿島。日本代表29試合・1得点。J1通算328試合・4得点。現役時代は鹿島のキャプテンを務め、強烈なリーダーシップとハードなプレースタイルで“常勝軍団”の礎を築く。2000年の三冠など多くのタイトル獲得に貢献した。2006年の引退後は、解説者や指導者として幅広く活動中。スポーツ振興団体『FOOT FIELD JAPAN』代表。
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