「経験値」をどうやって積んでいくか
危機感を募らせる理由は、QPRで置かれている状況だけではない。複数の要因が、斉藤を駆り立てているのだ。
振り返ると、24年は、斉藤にとって節目の1年だった。U−23代表としてパリ五輪に参加し、大会後はベルギーのロンメルからQPRにレンタル移籍。挑戦の1年であり続けた。
そのなかで大きなポイントになったのは、やはりパリ五輪であった。エース番号の「ナンバー10」を背負って臨んだ大舞台。準々決勝のスペイン戦に0-3で敗れ、斉藤は失意と共にフランスを後にした。
スペイン戦では0-1の相手リードで迎えた前半40分にFW細谷真大がゴールを奪うも、VARによりノーゴールの判定となる不運もあった。細谷は敵を背負った状態のポストプレーでボールを受けたが、右足のつま先が出ていたとしてオフサイドに。物議を醸す判定で得点が認められなかった日本は、後半に2点を奪われ0-3で敗れた。
あの五輪から約5か月が経った。斉藤はスペイン戦のことを思い出すと、今でも「すごく悔しい」気持ちになるという。悔しさの理由はひとつではなく、様々な思いが胸をつく。
「0-3で負けて、もちろん悔しいという気持ちはあります。ただ、色々な差があったんだろうなと。0-3の点差もそうですが、その点差以上(に何かがあった)というか。スペインには多少の余裕があった気がします。
自分もやっている時は、自分たちに余裕がなかったわけではないです。でもスペインの選手たちと比べると、経験値が全然違いましたし、彼らがやっている舞台も違った。そこでの経験の差が、あの試合で出たかなと思っています。だけど、そう思ってしまうのが、すごく悔しくて」
振り返ると、24年は、斉藤にとって節目の1年だった。U−23代表としてパリ五輪に参加し、大会後はベルギーのロンメルからQPRにレンタル移籍。挑戦の1年であり続けた。
そのなかで大きなポイントになったのは、やはりパリ五輪であった。エース番号の「ナンバー10」を背負って臨んだ大舞台。準々決勝のスペイン戦に0-3で敗れ、斉藤は失意と共にフランスを後にした。
スペイン戦では0-1の相手リードで迎えた前半40分にFW細谷真大がゴールを奪うも、VARによりノーゴールの判定となる不運もあった。細谷は敵を背負った状態のポストプレーでボールを受けたが、右足のつま先が出ていたとしてオフサイドに。物議を醸す判定で得点が認められなかった日本は、後半に2点を奪われ0-3で敗れた。
あの五輪から約5か月が経った。斉藤はスペイン戦のことを思い出すと、今でも「すごく悔しい」気持ちになるという。悔しさの理由はひとつではなく、様々な思いが胸をつく。
「0-3で負けて、もちろん悔しいという気持ちはあります。ただ、色々な差があったんだろうなと。0-3の点差もそうですが、その点差以上(に何かがあった)というか。スペインには多少の余裕があった気がします。
自分もやっている時は、自分たちに余裕がなかったわけではないです。でもスペインの選手たちと比べると、経験値が全然違いましたし、彼らがやっている舞台も違った。そこでの経験の差が、あの試合で出たかなと思っています。だけど、そう思ってしまうのが、すごく悔しくて」
斉藤の言う「経験値」とは、どうやって身につくものか──。欧州でプレーすればいいのか、それとも大舞台で試合経験をより多く積むことなのか。あるいは、その両方なのか。斉藤は「何が正解か分からないので、うまく言語化できない」と正直な考えを明かす。
だが事実として、日本はスペインに敗れた。そのスペインは大会の頂点に立ち、金メダルを獲得。対する日本はベスト8で敗れ、メダルに手が届かなかった。目の前に立ちはだかった世界の壁。斉藤は、若い世代の選手たちが経験値を高めていくことが鍵になると語気を強める。
「日本でやっていようが、海外でやっていようが、自分たちも経験を重ねていかないといけない。そうやって全員が経験を多く積んでいけば、絶対に勝てると思う。そこの差が大きいかなと感じました。少なくとも自分はそう思った。選手全員がそういう経験値を高めれば、自分たちがスペインに勝ったとしても、周りも『当然だろう』と感じるはずです」
スペインのような強豪を破るか、否か。今後世界と戦っていくうえで、スペインのような強国は間違いなく大きな壁となる。それゆえ、自分たちのレベルをひとつ上に設定することで彼らに追いつけると、斉藤は力を込める。
「自分たちの基準値を1個上げなきゃいけない。自分は今、チャンピオンシップでやってますけど、自分を含めて全員がより上のステージに行かなきゃいけない。スペインの選手も、より上のレベルでやっている。自分を含めて全員が、強度と速さ、上手さを全部持つことができれば、絶対勝てる。優勝も目ざせると思う。うまく説明できないですし、それが正解かも分からないですけど、そう思ってやり続けるしかないです」
【画像】“世界一美しいフットボーラー”に認定されたクロアチア女子代表FW、マルコビッチの悩殺ショットを一挙お届け!
だが事実として、日本はスペインに敗れた。そのスペインは大会の頂点に立ち、金メダルを獲得。対する日本はベスト8で敗れ、メダルに手が届かなかった。目の前に立ちはだかった世界の壁。斉藤は、若い世代の選手たちが経験値を高めていくことが鍵になると語気を強める。
「日本でやっていようが、海外でやっていようが、自分たちも経験を重ねていかないといけない。そうやって全員が経験を多く積んでいけば、絶対に勝てると思う。そこの差が大きいかなと感じました。少なくとも自分はそう思った。選手全員がそういう経験値を高めれば、自分たちがスペインに勝ったとしても、周りも『当然だろう』と感じるはずです」
スペインのような強豪を破るか、否か。今後世界と戦っていくうえで、スペインのような強国は間違いなく大きな壁となる。それゆえ、自分たちのレベルをひとつ上に設定することで彼らに追いつけると、斉藤は力を込める。
「自分たちの基準値を1個上げなきゃいけない。自分は今、チャンピオンシップでやってますけど、自分を含めて全員がより上のステージに行かなきゃいけない。スペインの選手も、より上のレベルでやっている。自分を含めて全員が、強度と速さ、上手さを全部持つことができれば、絶対勝てる。優勝も目ざせると思う。うまく説明できないですし、それが正解かも分からないですけど、そう思ってやり続けるしかないです」
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