不言実行から有言実行へ。大島僚太の闘志に火をつけた"ある出来事"

カテゴリ:日本代表

2016年06月15日

風間監督からの期待は大きい。「中心は自分だと考えるぐらいでないと」。

「ここで終わりではないし、代表に定着できるように頑張りたい」と本人は意気込む。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 その効果はすぐに結果となって現われる。10節の仙台戦では、敵が嫌がるコースに縦パスを入れ続け、後半には状況を見極めてエリア内に侵入。12年9月の鹿島戦以来、リーグ戦で4年ぶりのゴールを叩き込んだ。

 中村は「ああいうプレーをどんどんしてほしい。僚太が高い位置に来た時、やっぱり面白いことが起きる」と、今後への期待を膨らませた。
 
 もっとも試合は引き分けに終わり、本人の口からはゴールの喜びよりも、反省の言葉ばかりがこぼれた。
 
「上手く押し込めなかった。どこから効果的に攻撃するか決めないといけないし、まだまだ課題は多い」
 
 試合後、奇しくも川崎の風間八宏監督は大島をはじめ若手に向けて苦言を呈したが、それは〝中村を超えろ〞というメッセージでもあった。
 
「グラウンドに立った瞬間、中心は自分だと考えるぐらいでないと。その刺激は監督から与えられない。自分の欲求を高めて、自分に期待し、自信を持ってもらうしかない」
 
 周囲が親身になって成長を見守るなか、念願の代表にまで駆け上がり、大島はひとつの確信を得る。「やってきたことは間違っていなかった」と。
 
 代表初選出は、あくまでスタート地点にすぎない。その一方で、大島の内部で新たな感情が芽生えつつある。それは、風間監督が言う〝欲求の高まり〞となって形を成す。
「ここで終わりではないし、代表に定着できるように頑張りたい」
 
 不言実行から有言実行へ――。ポスト中村と将来を嘱望された男が今、ひとつの殻を破ろうとしている。
 
取材・文:大木 勇(本誌編集部)

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