「香川と清武」。ふたりの共存はファーストチョイスになり得るのか?

カテゴリ:日本代表

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2016年06月04日

わずか44分間の競演だったが、その間に4つのゴールが生まれる。

トップ下のポジションを争う香川(10番)と清武(13番)だが、イメージを共有し合える頼れる仲間同士でもある。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 もっとも、清武は香川との連係について、「100点満点ではなかった」と、あまり満足はしていないようだ。
 
「ある程度はできたかなという感触はありますけど、冷静に試合を見てみないと。いろんなシーンがありましたし、振り返る時間が必要かなと思います」
 
 裏を返せば、まだまだこんなもんじゃない、もっとできる、ということなのだろう。残念ながら、共存の時間は長くは続かなかった。70分までプレーした清武に対して、香川は前半の終了間際に、相手との接触プレーによる負傷で途中交代を余儀なくされている。
 
 ハリルホジッチ監督からしても、彼らの息の合ったプレーをもっと見たかったに違いない。ふたりが近くにいることで多くのチャンスが生まれたのは事実で、そのメリットについて清武は次のように語っている。
 
「シュートに行ける場面も多かったし、相手のプレッシャーがキツい時に、ワンタッチで落とせる人が近くにいれば、ボールを失う回数も減る。プレッシャーを剥がせるし、展開もできる。メリットはたくさんありますよね」
 
 ブルガリア戦での清武は、「大柄な相手には効果的」と、ワンタッチパスを駆使しながら、スピーディな仕掛けを演出した。「ちょっと意識し過ぎたというか、時間帯によってはもう少しボールを落ち着かせてもよかった」と、ワンタッチパスを多用した点は反省するが、周囲と連動したアタックに、間違いなく相手は手を焼いていた。
 
 その“ワンタッチで落とせる人”が香川であり、ボランチの柏木陽介だった。テンポ良くボールを動かすこのトライアングルは、ハリルジャパンの新たなストロングポイントにもなり得るもので、とりわけ香川と清武は阿吽の呼吸を見せていた。
 
「お互い、トップ下なので。シンジくんとはタイプが似ていますし、同じ意識でプレーできています」
 
 トップ下のポジションを高いレベルで争う香川と清武は、イメージを深く共有できる頼れる仲間同士でもある。
 
 ブルガリア戦での短いふたりの競演を、ハリルホジッチ監督はどう評価したか。少なくとも、彼らが同時にピッチに立っている間、7つのゴールのうち、4つが生まれている。
 
 その試合で負傷交代した香川が、ボスニア・ヘルツェゴビナとの決勝に出場できるかは未定だが、清武は冗談交じりに香川の出場を強く要求した。
 
「次の相手も強いので。シンジくんには出てもらわないと困りますけど」
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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