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予想以上の相乗効果をもたらした三笘薫&中村敬斗の共存。“ダブルドリブラー”の破壊力、森保采配は称賛に値【W杯最終予選】

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2024年10月16日

「ドリブラーを一緒に組ませてみるのも面白い」(久保)

左サイドでは前田もスタンバイ。3人の能力を有効活用しながら多彩な攻撃の形を作りたい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 同点後も中村はグイグイと積極的な仕掛けを披露。三笘がそれを的確にサポートするシーンが目についた。相手にしてみれば「三笘がドリブル突破をしてくるかもしれない」という警戒心があるから、どうしてもマークが分散する。「ドリブラー×ドリブラー」の配置というのは、想像以上の相乗効果をもたらしたのは間違いない。

「今日の中村選手は普段、三笘選手がしてるようなプレーをしていたと思いますし、三笘選手も『シャドーにはこういうプレーをしてほしい』ということをやっていたと思う。ああやってドリブラーとドリブラーを一緒に組ませてみるのも面白いのかなと。今日の2人は『はじめまして』だったと思いますけど、あれはあれですごく良かったですね」とベンチからその一挙手一投足を観察していた久保建英(レアル・ソシエダ)も刺激を受けた様子だった。

 膠着状態に陥ったゲームでは、意外な組み合わせや配置が突破口を開くことが往々にしてある。そういう意味で、今回の森保采配は称賛に値するだろう。

 実際、三笘のマークは試合を重ねるごとに強まっている。2022年カタールW杯の切符を獲得した22年3月のオーストラリア戦の頃は、まだ三笘はA代表デビュー間もなく、扱いもジョーカーがメイン。そこまで研究されていなかった。

 しかし、イングランドのプレミアリーグで実績を残し、日本のエース級になった今はブライトンでも代表でも複数マークがついてくるのが普通。本人もドリブル技術を磨き、より緩急をつけて敵をかく乱する工夫は凝らしているものの、1人では限界がある。
 
 それを打開する意味でも、今回のような似たタイプを併用し、お互いを活かし合うような関係性を構築するのは良いアイデア。それは10日に行なわれたサウジアラビア戦の後半の前田大然(セルティック)・三笘のコンビにも言えることだ。

 前回は今回ほど目に見える成果は出なかったが、今後も機を見てトライしていけば、得点につながる形が生まれる可能性も少なくない。

 三笘、中村、前田はいずれも左ウイングバックと左シャドーをこなせる人材。前田に至ってはトップにも入れる。「最近はセルティックでもやっていない」と本人は話していたが、プレーは可能だ。

 そういった3人の能力を有効活用しながら、三笘のドリブル突破力だけに依存しない左サイドの多彩な形を作っていければ、日本の攻撃バリエーションは広がるはずだ。

 今回の三笘・中村というダブルドリブラーの共存を一過性のものにせず、今後も要所でトライしていくこと。それを森保監督には改めて求めたい。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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