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森保Jを「史上最強」と煽る必要はない。過程の評価はどうでもいい。最終予選を強化の一環に。だとすれば、なおさら気になるのが――

カテゴリ:日本代表

吉田治良

2024年10月16日

オーストラリアに勝ち切れなかったことを猛省すべき

遠藤不在で田中を先発させた森保監督。パリ世代の藤田を起用しても良かったのではないか。(C)SOCCER DIGEST

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 スポーツメディアにとって「史上最強」というフレーズは、麻薬のようなものだ。使い勝手が良くてインパクトも強いから、ついつい手を出したくなる。

 どこか軽薄なニュアンスが滲み出るのは、「結果」ではなく「過程」に対する評価として使われるケースが多いからだろう。2006年ドイツW杯のジーコジャパンしかり、14年ブラジルW杯のザックジャパンしかり。要するに、過程を煽るだけ煽り、結果にはなんら責任を負わない軽薄さだ。

 それは、多くのメディアがこぞって「日本代表史上最強」と持ち上げる現在の森保ジャパンにも当てはまる。彼らに求められる、そして彼ら自身が目ざす結果が、26年北中米W杯におけるベスト8以上の成績であるならば、まだそこにたどり着いたわけでもないチームを必要以上に賛美するのは、いかにも無責任だ。

 22年のカタールW杯でベスト16入りを果たし、大きな自信を手にしたメンバーの大半が引き続き主力を担い、しかもこの2年、それぞれがヨーロッパの主要リーグで研鑽を積み、目覚ましい進化を遂げてきた。

 クラブチームとの比較で、「個の総和」がより大きなウエートを占めるのが代表チームであるならば、いまや欧州組が9割近くを占める森保ジャパンの実力は、アジアのレベルを超越していると言っていい。
 
 はっきり言って、従来の「4.5」から「8.5」に大幅に出場枠が拡大された北中米W杯のアジア予選など、余裕綽々で突破してもらわなくては困るのだ。最終予選の3連勝スタートは順当な結果。これをもって「史上最強」などと煽る必要はないし、むしろホームでオーストラリアに勝ち切れなかったことを猛省すべきだろう。

 もちろん、慢心が招く落とし穴もある。目の前の1試合、1試合を制した先にW杯の舞台があることも理解している。ただ一方で、日本と他のアジア諸国との実力差がかつてないほど大きくなった今、最終予選の戦いからかつてのようなひりひりとした緊張感が薄れつつあるのも事実だ。

 W杯は出て当たり前。この最終予選を、1年半後の本番に向けた強化の一環と捉えるくらいの余裕があってもいいと思う。

 だとすれば、なおさら気になるのが、森保一監督の判で押したような選手起用だ。小学生でもスタメンはもちろん、交代カードの切り方もほぼ当てられる。それほどまでに、森保ジャパンの序列は明確だ。

 その弊害が表面化したのがオーストラリア戦であり、大黒柱・遠藤航の体調不良による欠場の影響が小さくなかった。キャプテンの不在が、鉄板コンビを組む守田英正の推進力を減退させ、いわゆる“攻撃的な3バック”の核となる両サイドを警戒されると、著しく攻め手を欠いた。

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