今のミランはどこもかしこも“はてなマーク”ばかりだ。
コッパ・イタリアで優勝を飾っていれば、ベルルスコーニの30年の治世で、29個目のタイトルとなっていた。そして、冬に開催予定のイタリア・スーパーカップで勝利すれば、タイトル数は30というキリの良い数字になったはずだったのだ。そうすればベルルスコーニも、気持ちよくミランを去ることできたかも知れない。
しかし、現実にはミランは何も手に入れられず、ただ問題だけが山積している。ベルルスコーニは相変わらず「ミランをまた主役に返り咲かせたいという強い気持ちを抱いている者に、クラブを委ねたい」と言い続けているが、売却の話が本当にまとまりかけると、いつもすべてをウヤムヤしてしまう。
結局は、自分が作り上げた「ミラン帝国」を、手放す決心がついていないのだ。フィニンベスト(ベルルスコーニの持ち株会社で、実質的なミランの親会社)と中国コンソーシアムは、今月末までには態度を決める予定だが、独占交渉の期限である6月半ばを過ぎてしまえば、その後はまたどうなるか全くの不透明だ。昨年の同時期に同じく独占交渉をしていたタイ資本は、いまや忘却の彼方に追いやられている。
しかし、この株式譲渡問題がはっきりしなければ、クラブはすべての部門がまったく身動きできない。現状では新シーズンの監督が誰になるのかさえ分からないからだ。ベルルスコーニは現指揮官クリスティアン・ブロッキの続投を望んでいるが、それも彼が筆頭株主として場合のみ有効となる。鬱々としたシーズンが終わったと思ったら、今度はどこもかしこも“はてなマーク”ばかりなのだ。
15-16シーズンのミランは、たしかに5位以上は狙えないチームだったが、それでも6位を確保できる力はあった。最初の指揮官シニシャ・ミハイロビッチは、ベルルスコーニの希望通り4-3-1-2でスタートしたが、これが機能しないと見るや、4-3-3に修正し、そして4-4-2へと舵を切った。
結果、ジャコモ・ボナベントゥーラと本田という両サイドハーフが攻守で献身を示したこともあり、ミランはバランスの取れたチームになった。6位確保は現実的な目標だったのだ。
しかし、ミハイロビッチの志向する面白みのないスタイルが気に入らなかったベルルスコーニは、32節終了後に解任を決断。プリマベーラ(U-19)から子飼いのブロッキを昇格させた。かつてのアリーゴ・サッキやファビオ・カペッロのように、自分が見出した新米監督が、天才的な采配を見せてミランを復活させることを期待して……。
しかし、多くの人が予想した通り、この決断はあえなく失敗に終わった。まず監督云々の前に、今のミランには絶対的な選手のクオリティーが欠けている。ベルルスコーニが大好きな4-3-1-2は現スカッドにまったく適していないし、なにより選手のメンタル面に大きな問題がある。勝者のメンタリティーや闘志に欠け、だからこそセリエBに降格するような弱小チームを相手に無様な試合をするのだ。文字通りの革命を施さない限り、再び栄光を掴むことなどありえない。
しかし、現実にはミランは何も手に入れられず、ただ問題だけが山積している。ベルルスコーニは相変わらず「ミランをまた主役に返り咲かせたいという強い気持ちを抱いている者に、クラブを委ねたい」と言い続けているが、売却の話が本当にまとまりかけると、いつもすべてをウヤムヤしてしまう。
結局は、自分が作り上げた「ミラン帝国」を、手放す決心がついていないのだ。フィニンベスト(ベルルスコーニの持ち株会社で、実質的なミランの親会社)と中国コンソーシアムは、今月末までには態度を決める予定だが、独占交渉の期限である6月半ばを過ぎてしまえば、その後はまたどうなるか全くの不透明だ。昨年の同時期に同じく独占交渉をしていたタイ資本は、いまや忘却の彼方に追いやられている。
しかし、この株式譲渡問題がはっきりしなければ、クラブはすべての部門がまったく身動きできない。現状では新シーズンの監督が誰になるのかさえ分からないからだ。ベルルスコーニは現指揮官クリスティアン・ブロッキの続投を望んでいるが、それも彼が筆頭株主として場合のみ有効となる。鬱々としたシーズンが終わったと思ったら、今度はどこもかしこも“はてなマーク”ばかりなのだ。
15-16シーズンのミランは、たしかに5位以上は狙えないチームだったが、それでも6位を確保できる力はあった。最初の指揮官シニシャ・ミハイロビッチは、ベルルスコーニの希望通り4-3-1-2でスタートしたが、これが機能しないと見るや、4-3-3に修正し、そして4-4-2へと舵を切った。
結果、ジャコモ・ボナベントゥーラと本田という両サイドハーフが攻守で献身を示したこともあり、ミランはバランスの取れたチームになった。6位確保は現実的な目標だったのだ。
しかし、ミハイロビッチの志向する面白みのないスタイルが気に入らなかったベルルスコーニは、32節終了後に解任を決断。プリマベーラ(U-19)から子飼いのブロッキを昇格させた。かつてのアリーゴ・サッキやファビオ・カペッロのように、自分が見出した新米監督が、天才的な采配を見せてミランを復活させることを期待して……。
しかし、多くの人が予想した通り、この決断はあえなく失敗に終わった。まず監督云々の前に、今のミランには絶対的な選手のクオリティーが欠けている。ベルルスコーニが大好きな4-3-1-2は現スカッドにまったく適していないし、なにより選手のメンタル面に大きな問題がある。勝者のメンタリティーや闘志に欠け、だからこそセリエBに降格するような弱小チームを相手に無様な試合をするのだ。文字通りの革命を施さない限り、再び栄光を掴むことなどありえない。