【移籍専門記者】トッティは残るのか、それとも去るのか――。ローマが騒然とする

カテゴリ:移籍情報

ジャンルカ・ディ・マルツィオ

2016年05月18日

厚遇の契約延長オファーにサインしない不思議。

スーパーサブとして貴重なゴールとアシストを連発した15-16シーズン終盤戦は、健在ぶりを存分にアピールした。写真:Alberto LINGRIA

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 他方、トッティの下にはすでに数多くのオファーが舞い込んでいる。イタリア代表時代の盟友であるパオロ・マルディーニとアレッサンドロ・ネスタがオーナーと監督を務めるNASL(アメリカ2部)のマイアミFC、同じNASLのニューヨーク・コスモス、さらにはミルコ・ヴチニッチがプレーするUAEのアル・ジャジーラなどが、コンタクトしてきている。
 
 それでもローマは、15-16シーズン終了間際についに、1年間の契約延長オファーを出した。タイトルに応じたボーナス、そして引退後のクラブ幹部就任も盛り込まれた厚遇だ。
 
 出場機会を巡って一時は対立したルチアーノ・スパレッティ監督と手打ちし、終盤7試合はスーパーサブの立場を受け入れて、しかも4得点・2アシストと躍動。この類稀なパフォーマンス、そしてキャリアに対する敬意からの延長オファーだ。退団すればファンやメディアが騒ぎ立てるのは必至だけに、賢明な判断と言えるだろう。
 
 しかし、不思議なことにトッティは、まだ契約書にサインしていない。先日、ローマのジェローム・パロッタ会長はこうコメントしている。
 
「契約延長オファーは、1週間以上も前に提示した。これは非常に寛大な申し出だった。今は彼次第という状況だ。トッティがすぐにそれを受け入れなかった理由は、私には分からない。ローマで戦い続けたいと感じていると思ったのだがね……。奇妙なことだ。彼は最終的にサインするか? 分からない。本人が本当にその気だったら、すでにサインしていてもおかしくないんだ。周りからあまり良いアドバイスを受けていないのかもしれないね……」
 
 
 トッティは残るのか、それとも去るのか――。現在のローマはその話題で持ちきりだ。はたして、決断やいかに……。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
 
 
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