森岡隆三vs宮本恒靖――U-18プレミアリーグの舞台で初めてW杯経験監督が激突!

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2016年05月09日

選手としての経験を交えた話だからこそ心に響くものがある。

現在首位を走るG大阪ユースと下位に沈む京都U-18の対戦は、主将の食野の2得点などでG大阪ユースが3-1で勝利した。写真:松尾祐希

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 一方で京都の森岡監督は球際の弱さや戦う姿勢に課題があると話す。チームは開幕から調子が上がらず、いまだ勝利を掴めていない中で試合に挑んだ。「前半のパフォーマンスに関しては相手が上手いとかシステムとかと関係のないところ。腰が引けてしまっていたので、そうさせてしまったのは自分が悪かったのかもしれないけど」と指揮官。ナーバスになった状態で迎えたとはいえ、それを差し引いても森岡監督は納得していない様子だった。
 
 この日の試合で互いに課題が浮き彫りになったが、ここからいかにチームを成長させるかが監督の手腕である。特に両指揮官はワールドカップに出場した経験を持ち、世界のレベルを肌で知る。だからこそ、彼らにしかできない伝え方があるはずだ。
 
 実際にG大阪の宮本監督は選手たちに自らの経験を交えながら伝えている。
「監督は自分のミスでこうなったとか、自分のこのようなプレーが勝ちにつながったとかを話してくれる。この間のセレッソ戦(0-3からの逆転勝利)でも『俺もこのような試合をユース時代に経験してその時は負けた。大分とやって0-3から俺たちはひっくり返せなかった。でもお前たちはやってくれた』と話してくれました。自分の経験も含めてかなり分かりやすく話してくれるし、このような話は普通の人ではできない。なので、感謝しています」(GK渡辺健太)
 
 選手たちにも経験を交えた話だからこそ心に響く。まだまだ指揮官としては経験が浅いが、それを補って余りある自らの体験談は間違いなく有益なモノになる。
 
 高円宮杯プレミアリーグの歴史のなかで、ワールドカップ出場経験を持つ監督は森岡監督が初めてだ。今年からは宮本監督も加わり、日本の育成年代にどのような影響を与えていくのか。育成年代に新たな化学反応が生まれることを両指揮官に期待したい。
 
取材・文:松尾祐希(フリーライター)
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