切磋琢磨するライバルだからこそ、響く言葉がある。
塩田は加藤を抑えて、今季のスタートをスタメンとして迎えている。開幕戦の相手はFC東京。会場は慣れ親しんだ味の素スタジアム。「持っているな」と思った。見知った選手たちを相手に戦うのは楽しみでもある。同時に、自分をいつも勇気づけてくれたサポーターを敵に回して戦う難しさもあった。
試合の2日前。背番号21はインタビューのなかで、「FC東京のサポーターが悲しむところは見たくない。同じように大宮のサポーターが悲しむところも見たくないんですよ」と、柔和な表情を崩さないまま心境を吐露してくれた。迎えた当日には様々なプレッシャーに打ち勝ち、自分をコントロールして試合を終えた。結果は1-0の勝利。
万感の想いがあった。試合後に、古巣のゴール裏へと挨拶に向かった。ブーイングも覚悟していた。それでも足を運ばなければならない。自身の名を呼ぶ声がした。ひとつやふたつではない。大きな拍手も聞こえた。そしてチャントが響いた。深々と、頭を下げた。
別に誰に認められたくてサッカーを続けているわけではない。しかし、他クラブへと移籍した自分を受け入れてくれる温かさは、今でも自分を認めてくれている証だと感じた。
ホームのNACK5スタジアム大宮で広島に1-5と大敗後、5節から塩田の名前はサブメンバーの欄に表記されるようになった。代わりに、加藤が正GKに名を連ねた。そこからリーグ戦では磐田戦(1-1)、名古屋戦(2-1)、甲府戦(1-1)、湘南戦(1-0)、鹿島戦(0-0)、福岡戦(2-1)と5戦負けなし。順位も5位まで上がった。
「チームプレーが大切だからこそ、勝ってほしいと願う。だけど、チームがずっと上手くいき続けたら自分の出番はない。その葛藤は、サブに甘んじている選手はプロとして持っていなければならない。もちろん僕も抱えていますよ」
前述したインタビューのなかでそう語ってくれていた塩田は、自身の出番を求めながらも、競争相手に強くあってほしいと願う。高い壁であってほしいと願う。また、強くありたいと想い、高い壁でありたいと想う。それがチームを強くすることを知っているからだ。
だからこそ、大宮の一員として浦和と対面するライバルに伝えるべきことがあった。愛着あるクラブと戦った経験は、愛着あるサポーターのブーイングを背で受ける経験は、自分はしていて、加藤はしていない。
試合の2日前。背番号21はインタビューのなかで、「FC東京のサポーターが悲しむところは見たくない。同じように大宮のサポーターが悲しむところも見たくないんですよ」と、柔和な表情を崩さないまま心境を吐露してくれた。迎えた当日には様々なプレッシャーに打ち勝ち、自分をコントロールして試合を終えた。結果は1-0の勝利。
万感の想いがあった。試合後に、古巣のゴール裏へと挨拶に向かった。ブーイングも覚悟していた。それでも足を運ばなければならない。自身の名を呼ぶ声がした。ひとつやふたつではない。大きな拍手も聞こえた。そしてチャントが響いた。深々と、頭を下げた。
別に誰に認められたくてサッカーを続けているわけではない。しかし、他クラブへと移籍した自分を受け入れてくれる温かさは、今でも自分を認めてくれている証だと感じた。
ホームのNACK5スタジアム大宮で広島に1-5と大敗後、5節から塩田の名前はサブメンバーの欄に表記されるようになった。代わりに、加藤が正GKに名を連ねた。そこからリーグ戦では磐田戦(1-1)、名古屋戦(2-1)、甲府戦(1-1)、湘南戦(1-0)、鹿島戦(0-0)、福岡戦(2-1)と5戦負けなし。順位も5位まで上がった。
「チームプレーが大切だからこそ、勝ってほしいと願う。だけど、チームがずっと上手くいき続けたら自分の出番はない。その葛藤は、サブに甘んじている選手はプロとして持っていなければならない。もちろん僕も抱えていますよ」
前述したインタビューのなかでそう語ってくれていた塩田は、自身の出番を求めながらも、競争相手に強くあってほしいと願う。高い壁であってほしいと願う。また、強くありたいと想い、高い壁でありたいと想う。それがチームを強くすることを知っているからだ。
だからこそ、大宮の一員として浦和と対面するライバルに伝えるべきことがあった。愛着あるクラブと戦った経験は、愛着あるサポーターのブーイングを背で受ける経験は、自分はしていて、加藤はしていない。