今も脳裏に焼き付く真剣な表情
そういうなかでも「現有戦力の能力を最大限伸ばすのが基本」という考え方は変わらないという。その方向性で、今季は知念慶のボランチへのコンバートというサプライズも見られた。
ご存じの通り、知念はもともとFWで、2022年に鹿島入りしてからもずっと最前線を担ってきた。その選手が今季J1でデュエル勝利数90回を記録。2位の中野就斗(広島)の60回を大きく引き離してダントツなのだから、誰もが驚いて当然だ。彼が中盤で獅子奮迅の働きを見せていなかったら、今季の鹿島が2位に躍進することもなかったはずだ。
ご存じの通り、知念はもともとFWで、2022年に鹿島入りしてからもずっと最前線を担ってきた。その選手が今季J1でデュエル勝利数90回を記録。2位の中野就斗(広島)の60回を大きく引き離してダントツなのだから、誰もが驚いて当然だ。彼が中盤で獅子奮迅の働きを見せていなかったら、今季の鹿島が2位に躍進することもなかったはずだ。
「宮崎キャンプで柴崎(岳)が怪我をした時、ポポヴィッチ監督が『知念はどうか』と言ってきた時、正直言って私もビックリしました。ただ、彼は大分トリニータ時代に家長(昭博/川崎)をボランチで使った経験があった。そのイメージも重ねながら『知念をボランチで使ったら面白い』と考えたのかもしれません。
知念自身も『監督が本気で考えてくれるならチャレンジしたい』と最初の練習試合の翌日に私のところに言いに来た。あの時の真剣な表情は今も脳裏に焼き付いています。『やれると思っているから監督も使うんだ』と返しましたけど、それからの彼はものすごく前向きに取り組んでくれた。その貪欲さで不慣れな役割をものにしたんだと思います。
知念のボールを奪い切る力というのは、今では本職の選手を上回るレベルに達している。私もJリーグに長く携わっていますが、こういう例はあまりない。ただ、見る側の発想次第で活きてくる選手はいる。彼を間近で見て、そのことを改めて感じました」と吉岡FDはしみじみと語る。
ポポヴィッチ監督にしてみれば、大分で共闘していた吉岡FDとは考え方や感覚のすり合わせが容易なのだろう。現場と強化部門の意思疎通がスムーズでなければ、勝てるチームは作れない。その風通しが良くなったことが、今季の1つの変化だと言っていい。
※第1回終了(全3回)
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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知念のボールを奪い切る力というのは、今では本職の選手を上回るレベルに達している。私もJリーグに長く携わっていますが、こういう例はあまりない。ただ、見る側の発想次第で活きてくる選手はいる。彼を間近で見て、そのことを改めて感じました」と吉岡FDはしみじみと語る。
ポポヴィッチ監督にしてみれば、大分で共闘していた吉岡FDとは考え方や感覚のすり合わせが容易なのだろう。現場と強化部門の意思疎通がスムーズでなければ、勝てるチームは作れない。その風通しが良くなったことが、今季の1つの変化だと言っていい。
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