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苦難の時期を乗り越えて――。細谷真大はエースとしての矜持を持って大舞台へ。自身初の世界大会で輝けるか【パリ五輪の選ばれし18人】

カテゴリ:日本代表

松尾祐希

2024年07月03日

「焦りがないと言ったら嘘になる」

柏でもエースとして君臨。クラブで地道に積み重ね、一歩ずつ前に進んできた。写真:永島裕基

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 また、ネルシーニョ監督との出会いも見逃せない。守備の重要性を説かれ、ストライカーでありながらもファーストDFとして献身的に戦うことを求められた。

 そうした幾つもの出会いを経て、細谷は右肩上がりで成長。気が付けば、パリ五輪世代を代表するFWになっていたのだ。

 そんな細谷も今季は苦しんだ。昨年11月を最後に公式戦でゴールがなく、今季も開幕してから、クラブでも代表でも点が取れない。状態は悪くなく、持ち前の推進力や守備力を発揮した一方で決定機を決め切れない日々が続いた。
 
 そのなかで迎えたパリ五輪のアジア最終予選を兼ねた春のU-23アジア杯。3位以内で五輪にストレートイン、4位の場合はアフリカ4位のギニアと一発勝負のプレーオフに回らなければならない。今まで味わった経験がないようなプレッシャーを感じる状況で期待をされたが、グループステージでは無得点。周りには決して見せなかったが、細谷は自身の状況を理解しており、焦りもあった。

「難しいですけど、焦りがないと言ったら嘘になる。取れていない状況というのは自分の中で受け止めています」

 迎えたカタールとの準々決勝(4−2)。負ければパリへの道が潰える大一番で、誰に聞いても準決勝以上のプレッシャーがあったと話すなか、2−2で迎えた延長の101分だった。荒木遼太郎のスルーパスに反応し、見事なターンからネットを揺らす。待望の自身大会初ゴールに細谷の顔から笑顔が溢れた。

「色々な感情がありますけど、決められたことが嬉しい」とは細谷の言葉。呪縛から解き放たれた点取り屋は、続くイラクとの準決勝(2−0)でも得点を決めて完全復活をアピールした。

 クラブに戻ってからもリーグ戦で今季初ゴールを奪い、徐々に本来の姿を取り戻しつつある。どんなに苦しい状況でも周りの声に左右されず、自らの力で這い上がってきた。このスランプを経て、またひとつ強くなった男は自身初の国際舞台に向けて闘志を燃やす。

 頼れるエースとして、日本のために戦う準備は整った。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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