前半に72パーセントのボール支配率をユナイテッドに許したレスターは、後半、ラインをコンパクトにし、一人ひとりの距離感を詰める。すると、一枚剥がされた後にも、素早いプレスをかけることが可能になり、カウンターからチャンスを作れるようになる。
 
　いずれも、シュートは枠を捉えることはなかったが、ここからレスターの攻撃が冴え始める。すると、たまらずユナイテッドは、61分にリンガードに代えてマタを投入した。
 
　テクニシャンのマタがピッチに入ったことで、再びユナイテッドのポゼッションが高まる。これに対してレスターは、67分に岡崎からグレイ、77分にシュラップからオルブライトンと、スピードを武器とする選手を交代でピッチに送り出し、カウンターの精度アップを図った。
 
　布陣を４-２-３-１に変え、中央を固めたレスター。相手アタッカーに利用されていたフリースペースを埋め、高い位置でプレスをかけられるようになり、相手のミスを誘発。狙い通りに奪ってからゴール前に迫るシーンを作り出したが、最後の局面で精度を欠いた。
 
　決め手を欠いたレスターは86分、ペナルティーエリアの左側へ飛び出したデパイをドリンクウォーターが引っ張ってファウル。この日、２度目の警告を受けて、退場を命じられる。
 
　10人となったレスターは自陣のゴール前に６人を並べ、堅牢を築く。ユナイテッドはそれを最後まで打ち破ることができず、試合は１-１のまま終了となった。
 
　劣勢のなかで得たセットプレーから１点をもぎ取り、なんとか引き分けたレスター。結果、優勝の行方は持ち越しとなった。しかし、アウェイでユナイテッドを相手に負けなかったことは称賛に値する。
 
　次節、ホームでのエバートン戦で、クラブ創設132年目での初戴冠の夢は叶うのだろうか――。岡崎の活躍も含めて期待しよう。