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[本田泰人の眼]6月シリーズでは実力差がはっきり出た。今後、日本代表の選手は“3”も“4”もできないと生き残れない

カテゴリ:連載・コラム

本田泰人

2024年06月14日

「おかしいな」と思ったら、自分たちで変えていく

CB、SB、ウイングバックでもプレー。冨安のような選手が増えてくれば、さらに戦いの幅は広がるだろう。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 シリア戦に話を戻すと、「負けたら敗退」のシリアは0-3で前半を折り返した時点で、もはや戦意を喪失しているようだった。その状況を考えると、後半から出場した鎌田大地にしても、相馬勇紀にしても、あれほど自由にプレーできたのだから活躍して当たり前だ。

 言い換えれば、勢いのあった前半でインパクトを残せていない町田浩樹、田中碧の評価は高くできない。鎌田は2枚目のイエローカードをもらってもおかしくなかったのだから反省すべきだろう。

 今回、オプションの1つとして3バックを採用したが、この2試合を見るかぎり、4バックより3バックのほうがハマっている。

 9月から始まるアジア最終予選を見据えると、どのシステムを使うかはやはりメンバー次第になるだろうが、先述したように3バックのポイントはワイドの選手だ。左のワイドには三笘、中村、右のワイドには伊東、堂安が計算できる。

 一方、4バックのサイドバックの人材を考えると、手薄な印象は拭えない。しかも守備のセンスが求められるポジションだ。現状、候補は伊藤洋輝や菅原由勢あたりになるが、純粋なサイドバック候補が少ないのが気になる。ならば、最終予選は、今回の2連戦で結果を出した3バックで臨むのがセオリーだろう。

 もっとも、日本が一番目ざすべきところは、最終予選突破ではない。ワールドカップのベスト8への挑戦だ。当たり前だが、ワールドカップ本番を考えた時、1つの戦い方だけを追求しても勝てるレベルではない。

 ワールドカップを見据えて、強いチームとやり慣れていないといけない。時間帯でどうスイッチを入れるか。みずからピッチ上で判断しながら、試合を進めていく必要がある。

 ベスト8で終わった先のアジアカップで、守田英正が「ピッチ外からアドバイスが欲しかった。決めごとが定まっていなかった」と発言していたが、OBの立場から言わせてもらえば、ピッチ内で自分たちで決めていくのは当たり前。
 
 たとえば、3バックでスタートしたとしても「ハマり」が悪ければ、臨機応変に自分たちの判断で4バックに変更したり、前線からのプレスがハマらなければ、ラインを少し下げてショートカウンターに切り替えたりするべきだ。

 アジアでは主導権を握っている時間が多くなるだろうが、イラン、カタール、イラク、サウジアラビアなど試合巧者のチームに足もとをすくわれる恐れがある。

 アジアカップと同じ轍を踏まないよう、森保監督が求めるサッカーを目ざしながら、ピッチ上で「おかしいな」と思ったら、自分たちで変えていく。冨安健洋、遠藤航、板倉滉の3人を中心にコーチングできるようなチームづくりを、最終予選の段階から意識してやっていかないといけない。

 つまり、システム論に落とし込むと、今後、日本代表の選手は3バックも4バックもできないと生き残れないということだ。

 たとえば、堂安は以前と比べて守備意識が高くなった。攻め上がっていくスプリントも、守備の意識も、切り替えの速さが出てきた。シャドーや2列目ではなく、ワイドでもフルで戦える。左の中村もしかり。伊藤は左サイドバックも左ワイドもできるが、菅原は守備に課題が見えるから、現状では3バックのワイドでしか使えない、といった具合だ。

 冨安は4バックでセンターバックと右サイドバック、3バックでセンターバックと右ワイドができる。冨安のような選手が増えると、さらに戦いの幅が広がる。

 ちなみに、最終予選からはパリ五輪世代との融合も始まる。“冨安二世”や“遠藤二世”などを作るうえでも、欲を言えば、パリ五輪はオーバーエイジ枠を使わず、育成の場として23歳以下のメンバーで臨んでほしいというのが私の見解だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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