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Jで輝く『バンディエラ』。中村憲剛や中村俊輔、小笠原満男らが生み出す美徳と別格のスリリング

カテゴリ:Jリーグ

加部 究

2016年04月28日

決して11分の1ではない影響力を持つからこそ生まれる別格のスリリング。

その影響力は決して11分の1ではないからこそ、敵味方を引き込む圧倒的にスリリングな場面を生み出す。「バンディエラ」とはそうした存在だろう。(C) SOCCER DIGEST

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 フランチェスコ・トッティは、16歳からバンディエラを約束され、ベンチで待機する時間が増えた39歳の今でも視線をクギ付けにしている。リバプールにスティーブン・ジェラードが現われなければ、欧州チャンピオンズ・リーグ決勝で3点差を引っくり返す奇跡の逆転劇を導く者はいなかった。
 
 この時代に、生涯同じユニフォームを着続けるバンディエラを探すのは難しい。今後Jリーグでも、生え抜きで引退するまで同じチームで中心的にプレーを続ける選手が出て来る可能性は少ないだろう。
 
 だが現状では、広義でのバンディエラたちが確かにリーグを活気づけている。国内ではそれぞれ横浜や鹿島一筋の中村俊輔や小笠原満男がチームの顔となっているし、早いタイミングでG大阪のユニフォームを着た遠藤保仁も、今ではバンディエラと呼ぶに相応しい存在だ。
 
 彼らが備えているのは年輪や経歴に裏打ちされた深遠な読み、オンオフを問わずチームを統括する能力、それに自信と相応のプライドだ。ベンチからもスタンドからも、そしてピッチ上でも全幅の信頼を集め、自発的に重責を担う。決して11分の1ではない影響力を自覚しながら決断しアクションを起こしていくから、別格にスリリングなのだ。
 
 21世紀初頭に、若き中村俊と小笠原は激しい攻防を繰り広げた。やがてふたりとも日の丸をつけ、欧州でのプレーも経験した。特に中村俊は、スコットランドで伝説を作り再び横浜のユニフォームを着るのだが、Jでも優勝を逃すと号泣するほど真摯に戦い抜いた。それは日本人ならではの美徳であり、理想的なサイクルができつつある。一方で育成上手の鹿島の演出が心憎い。次期バンディエラ候補の柴崎岳は、間近で真髄を学び続けているのだ。
 
文:加部 究(スポーツライター)
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