3日の練習では、南野は4-2-3-1のトップ下、あるいは3-4-2-1のシャドーに入っており、今回はいずれかで出る公算が大。モナコでも最前線より一列後ろに入ってゴール前に厚みをもたらす形が目立っており、今の彼にとっては最適解の役割と言っていい。
「今回の代表で(自分の起用が)考えられるのは、2シャドーの位置、あるいは8番(攻撃的MF)というか、2シャドートップみたいなところだと思うんですよね。どこに入ってもスムーズに攻撃につなげる仕事と強度の高い守備は変わらない。後ろが5枚なのか4枚なのか分からないけど、全体の連動性を高めていければいいと思っています」と、やるべきことを明確に描いている様子だ。
そのあたりはカタールW杯のアジア予選を戦っていた頃との違いだろう。前回予選時はトップ下からスタートして、最終予選では左サイドで起用されることが多かった。しかしながら、もともと南野はドリブルで相手を一気に抜き去るようなタイプではない。その分、どうしても中央に絞り気味になり、攻撃の迫力を出せなくなり、迷いが見られるようになった。
そこにリバプールでの出場機会減が重なり、得点からも遠ざかっていった。そんな最終予選の悪循環が本大会で今ひとつの出来につながったのは、ご存じの通りだろう。
けれども、昨年に代表に戻ってきてからの南野は「トップ下やシャドーでゴール前に厚みをもたらす」という自身の役割を出しつつ、チームのために献身的に働くことをバランス良く両立させている印象だ。それをより研ぎ澄ませていき、誰と組んでも良さを出せる状態にすることができれば、2度目の最終予選とW杯はより良いものになるはずだ。
試合のリズムを作るようなタスクも
「僕としては、前回の最終予選よりも、(直近の)アジアカップの難しさの方をより強く感じています。シンプルに放り込んできたりとか、肉弾戦になった時に自分たちがどうボールを支配していくのかってところを高めないといけない。そのために個の力を高めていくことが重要だと思いますし、チームとしても攻撃の糸口を見つけられるようにしないといけないですね。
そこで自分が保持することも必要でしょうし、どうキープするかにもこだわっていかないといけない。全員で意図を持ってボールを動かせられるように仕向けていきたいです」
南野が言うように、中盤から前線で時間を作り、相手を優位に動かすことができれば、後手に回るケースも少なくなる。そういう戦いに持っていくために、その戦術眼で試合のリズムを作るようなタスクも手掛けてくれれば理想的だ。
ベテランの域に達しつつある29歳アタッカーの牽引力に期待しつつ、6月シリーズでの爆発を楽しみに待ちたい。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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