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なぜ長谷部誠にもっと出場時間を与えられなかったのか。引退試合で感じた違和感。指揮官のジェスチャーに地元サポも「引いた」【現地発コラム】

カテゴリ:海外日本人

中野吉之伴

2024年05月26日

「試合をしたいという欲は日々ありました」

 長谷部も長い選手生活で、出場機会に恵まれないときもあった。だが、それで腐ったりは決してしない。どんな時でも100%の力でトレーニングに臨む。その姿勢はどのクラブでも、どのチームメイトにも、どの監督にも高く評価された。

 練習ではつねに先頭を走り、どんな時でもメディアの質問に丁寧に答える。異国の地で、異国の言語で会話を交わすのは誰にでも簡単にできることではない。だが長谷部はミスを恐れず、ミーティングでも意見を隠さずに伝えるべきことは必ず言葉にした。言葉を覚えればコミュニケーションが取れるわけではない。コミュニケーションをとることで言葉を覚えるのだ。それだけのことを積み重ねてきた。

 3年ほど前に長谷部は「もう一度チャンピオンスリーグに出たい」と話していたことがある。その夢を見事に叶え、昨シーズンにCLに出場し、トッテナム戦ではイングランド代表FWハリー・ケインを完全に抑え込んだ。ブンデスリーガ、DFBカップ、ヨーロッパリーグでのタイトルを手にした。
 
「何かを獲りたいという欲よりも、試合をしたいという欲は日々ありましたね。自分が出たら、もっとチームをこうできるみたいな、そういう部分は最後の最後まであって」

 ラストマッチのあと、ミックスゾーンでそっとそう語った。まして長谷部は大きな負傷で動けないわけでもなかった。リスペクトとは「リスペクトしている」という言葉を口にしたり、「それっぽい」ジェスチャーをすることではない。引退表明してからラストマッチまで出場時間はゼロ。間違いなくもっとやりようがあったのではないだろうか。

取材・文●中野吉之伴

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