• トップ
  • ニュース一覧
  • 【中村憲剛の欧州サッカー観戦記】バルサを“ハメた”アトレティコの守備戦術に脱帽! CLベスト4はペップとシメオネの勝負師対決に要注目だ

【中村憲剛の欧州サッカー観戦記】バルサを“ハメた”アトレティコの守備戦術に脱帽! CLベスト4はペップとシメオネの勝負師対決に要注目だ

カテゴリ:連載・コラム

中村憲剛

2016年04月22日

ベスト4の最注目はペップ対シメオネ。

レアル・マドリー対ヴォルフスブルクのセカンドレグは、通常通りえない壁の隙間を抜けたC・ロナウドのFKが決勝点に。神懸かった動きでハットトリックを決めた大エースは得点後に感情を爆発させた。 (C) Getty Images

画像を見る

 ベスト8の他のカードで印象的だったのは、レアル・マドリー対ヴォルフスブルクです。
 
 ヴォルフスブルクは試合の入り方に完全に失敗しましたね。ファーストレグレグを2-0で終えましたけど、マドリーの攻撃力を考えればまったく安全なリードではない。そう考えると、最初の30分はもっとガチガチに守ってもよかったと思います。
 
 ファーストレグの良いイメージを持ってヴォルフスブルクはこの試合に臨んだと思うのですが、入り方が中途半端で良くなかったし、崖っぷちのマドリーはサンチャゴ・ベルナベウの雰囲気を含めて格が違いましたよね。
 
 マドリーが2点を奪ってから少しゲームが落ち着いたので、どうなるかはわからないと思ったのですが、クリスチアーノ・ロナウドの3点目のFKが勝負を決めました。
 
 あれは正直、ミスキックだと思いますし、“なぜそこを抜けた?”という感じでした。1点目のカルバハルのミスクロスが流れて、C・ロナウドの前に転がったところも含めて、この日のマドリーは幸運を味方に付けていました。本当にサッカーは何が起きるか分からないですね。
 
 普通に考えれば、この結果は順当なのですが、ファーストレグで追い込まれた状況から逆転できるのは、マドリーの地力なのかなと感じました。
 
 さて、ベスト4は両カードとも興味深いですけど、やっぱりアトレティコとバイエルンのペップ対シメオネがどうなるのかが楽しみですよね。2人とも稀代の勝負師なので、どういう展開になるのか気になります。
 
 バイエルンが最初にアウェーで戦うわけですが、こういったトーナメントではセカンドレグをホームで戦えるチームが有利だと個人的には思っています。
 
 最初にアウェーゴールを取れば勇気が出ますし、バルサがそうでしたけどファーストレグでアウェーゴールを取られると、その後は喉元にナイフを突きつけられるような状態が続くわけです。なので、アトレティコの初戦の戦い方は注目ですね。
 
 アトレティコはバイエルンをしっかり研究しているはずなので、基本的にはバルサ戦のような攻守のハッキリした展開になると思います。しかし、見ているのと実際に体感するのは全然違うので「バルサと同じようにやれば良い」と思って戦えばいいとは限らないですね。
 
 もう1つのマンチェスター・シティ対レアル・マドリーは個の力の戦いになるかと思います。アグエロはチェルシー戦(4月17日プレミアリーグ34節)でハットトリックを決めて好調ですし、彼とC・ロナウドの出来が結果を左右するはずです。このカードもセカンドレグをホームで戦えるマドリーが有利になると思います。
 
 決勝はシティとバイエルンの“ペップ・ダービー”になれば面白いというのがあるのですが、経験と地力の差を考えるとマドリー対バイエルンというカードが現実的なのかなというところですね。いや、シメオネの存在を考えると、もはや読めませんね(笑)。
 
【中村憲剛のPROFILE】
●生年月日/1980年10月31日
●身長・体重/175センチ・66キロ
●クラブキャリア
03年 川崎フロンターレ(J2):34試合・4得点
04年 川崎フロンターレ(J2):41試合・5得点
05年 川崎フロンターレ(J1):29試合・2得点
06年 川崎フロンターレ(J1):34試合・10得点
07年 川崎フロンターレ(J1):30試合・4得点
08年 川崎フロンターレ(J1):34試合・4得点
09年 川崎フロンターレ(J1):32試合・4得点
10年 川崎フロンターレ(J1):27試合・4得点
11年 川崎フロンターレ(J1):30試合・4得点
12年 川崎フロンターレ(J1):34試合・5得点
13年 川崎フロンターレ(J1):29試合・7得点
14年 川崎フロンターレ(J1):30試合・3得点
15年 川崎フロンターレ(J1):33試合・2得点
16年 川崎フロンターレ(J1):8試合・3得点
【関連記事】
【リーガ現地コラム】逆転優勝へ邁進中のアトレティコ。命運を握るのはエースの陰で献身を続ける労働者たちの働きだ
【バイエルン番記者】4月の“主役”はビダル。かつてのエッフェンベルクのような「真のリーダー」へ――
【マンチェスター・C 1-0 パリSG|採点&寸評】デ・ブルイネとハートがクラブ史上初の4強進出に大貢献。一方でイブラとカバーニは……
【アトレティコ・マドリー 2-0 バルセロナ|採点&寸評】全選手が高い守備意識を持って仕事を完遂! A・マドリーが逆転で準決勝へ
【ベンフィカ 2-2 バイエルン|採点&寸評】2試合連続弾のビダルがMOM! 話題の超逸材R・サンチェスは18歳とは思えぬ輝き
【レアル・マドリー 3-0 ヴォルフスブルク|採点&寸評】マドリーが逆転で準決勝へ! 最高殊勲者はハットトリックのC・ロナウド

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ