毎試合のようにガラリと先発を変える
戸田監督自身も36歳まで現役を続けた元プロ選手。年長者たちの姿を学びながら、長いキャリアを続けてきた。清水エスパルスにいた若い頃には、長谷川健太(現・名古屋監督)、サントス、澤登正朗(現・清水ユース監督)といった先輩たちが目の前にいて、その姿を見ながら成長し、2002年の日韓ワールドカップへの出場も果たす。
「長くプロとしてプレーしているからといって、知っていることやできることが、たくさんあるとは限りませんけども、やはり若い選手だけだとお手本を見つけづらいところがあるのは確か。やはりプロ選手も偉大な先輩の姿を見て学び、試行錯誤しながら成長への努力を続けていくことが重要だとも思います。
もちろんベテラン側も1人のプロ選手として、常に成長を目ざして努力を欠かさずに日々のトレーニングからしっかり勝負できるようにコンディションを整え、競争に身を投じていかなくてはならない。経験者の姿勢と取り組みが若い選手たちに指標を与えつつ、同じポジションを争うライバルとして日々鎬を削る...そういった相乗効果が昨夏以降、出てきているのも大きいと思います」
だからと言って、戸田監督はベテランに頼ったチーム作りはしていない。今季のメンバー起用を見ても、毎試合のようにガラリと先発を変えているのだ。
「今のチームに大黒柱は存在していません。毎週毎週、トレーニングを注意深く観察し、週末の対戦相手のことも考えながら、その時、ベストだと思う選手を選んで送り出しています。
どのチームも各ポジションに最低2人は選手を用意していると思うんですけど、J3の難しさの一つに編成があると思いますが、今のチームは1ポジションに同じような特徴を持つ選手が揃っていなかったりする。なので、調子の善し悪しで選ぶと、選んだ選手の持つ特徴を踏まえて、そのエリアでのプレーの仕方を変える必要も出てきたりします。当たり前のことではありますが、次節の対戦相手を分析もしつつ、自チームの選手たちの状態をよく観察して、最適なチームを見つける作業がとても重要となります」
「長くプロとしてプレーしているからといって、知っていることやできることが、たくさんあるとは限りませんけども、やはり若い選手だけだとお手本を見つけづらいところがあるのは確か。やはりプロ選手も偉大な先輩の姿を見て学び、試行錯誤しながら成長への努力を続けていくことが重要だとも思います。
もちろんベテラン側も1人のプロ選手として、常に成長を目ざして努力を欠かさずに日々のトレーニングからしっかり勝負できるようにコンディションを整え、競争に身を投じていかなくてはならない。経験者の姿勢と取り組みが若い選手たちに指標を与えつつ、同じポジションを争うライバルとして日々鎬を削る...そういった相乗効果が昨夏以降、出てきているのも大きいと思います」
だからと言って、戸田監督はベテランに頼ったチーム作りはしていない。今季のメンバー起用を見ても、毎試合のようにガラリと先発を変えているのだ。
「今のチームに大黒柱は存在していません。毎週毎週、トレーニングを注意深く観察し、週末の対戦相手のことも考えながら、その時、ベストだと思う選手を選んで送り出しています。
どのチームも各ポジションに最低2人は選手を用意していると思うんですけど、J3の難しさの一つに編成があると思いますが、今のチームは1ポジションに同じような特徴を持つ選手が揃っていなかったりする。なので、調子の善し悪しで選ぶと、選んだ選手の持つ特徴を踏まえて、そのエリアでのプレーの仕方を変える必要も出てきたりします。当たり前のことではありますが、次節の対戦相手を分析もしつつ、自チームの選手たちの状態をよく観察して、最適なチームを見つける作業がとても重要となります」
このような指揮官のアプローチが奏功し、今季の相模原は白星が先行している。1年目の戸田監督は「ウチはプロ経験の少ない選手が多い分、当然ながら、プロとしての成功体験を持たない選手が非常に多い集団」と説明していたが、今は一番必要だった成功体験が着実に積み重なってきている。それは紛れもなくポジティブな要素と言っていい。
とはいえ、まだ今季は序盤から中盤に差し掛かったところ。大宮は快進撃を見せているが、その下のグループは大混戦。降格組の金沢や資金力のある松本なども中位に位置しているため、まだまだ楽観は許されない。
「今季のJ3を戦ってみて、大宮と金沢はやはりクオリティとフィジカルベースが高いなと感じました。特に大宮には杉本健勇のようなタレントもいる。その大宮にチャレンジャーとして挑んで引き分けたのはポジティブな点。選手たちはまだまだ成長できるポテンシャルを持っていますし、とにかく今は上位にしっかりしがみつくことが第一。そこを目ざして一つひとつの勝負にこだわっていくつもりです」
戸田・相模原が躍進できるか否か。いよいよ中盤戦に差し掛かるここからが本当の戦いだ。
※第2回終了(全3回)
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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「今季のJ3を戦ってみて、大宮と金沢はやはりクオリティとフィジカルベースが高いなと感じました。特に大宮には杉本健勇のようなタレントもいる。その大宮にチャレンジャーとして挑んで引き分けたのはポジティブな点。選手たちはまだまだ成長できるポテンシャルを持っていますし、とにかく今は上位にしっかりしがみつくことが第一。そこを目ざして一つひとつの勝負にこだわっていくつもりです」
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