新潟とは対照的だった磐田の一貫性ある攻撃の狙い。
後半開始早々、それまでの流れもあり、新潟はエース、ラファエル・シルバのゴールで先制に成功する。問題はその後だ。
CB大野が「先制した直後に、あそこまで深くボールを運ばれたのは問題」と振り返ったように、キックオフでいったん下げたボールを左サイドのアダイウトンにつながれると、加藤とSBの小泉慶で挟み込みながらあっさり前に運ばせてしまう。そして小林祐のダイレクトパスが、ボックス内のジェイに渡ったところで大野、増田が「押し出す守備ではなく、ボールを奪いに行く守備をしてしまった」(吉田監督)ことが災いし、PKを与えたのだった。
この失点で、にわかにペースを失った新潟。
「ジェイ選手に対しては、長いボールを当てられてもセカンドボールに反応できていたし、チーム全体で守ることができていた。
でも後半、ジェイ選手に少しずつボールが収まるようになり、ズルズルとラインが下がってしまった。試合が終わってすぐにマグ(増田)とも話したが、そこで僕たちCBが、もっとラインを押し上げなければならなかった」
そう大野は悔やんだが、64分の逆転PKも、浮き球をジェイに背後に落とされ、受けた松井大輔を守田が慌てて倒し、与えたものだ。
逆転された後、吉田監督は4-1-4-1にシフトして反撃を試みたが、守備意識を高めた磐田を攻略できず。相手ゴール前、自分たちのゴール前と、声援のボルテージが上がる地帯でのプレーに、まだまだ改善の余地があることが浮き彫りになった。そして、劣勢だった前半から愚直なまでにジェイにボールを集め続け、やがて新潟のサッカーを決壊させた磐田の一貫性は対照的でもあった。
発展途上のチームは、拙さを露呈して与えたふたつのPKで、あっさり勝点3を手放した。そこに、成熟への道しるべを見出せているだろうか。
取材・文:大中祐二(フリーライター)
CB大野が「先制した直後に、あそこまで深くボールを運ばれたのは問題」と振り返ったように、キックオフでいったん下げたボールを左サイドのアダイウトンにつながれると、加藤とSBの小泉慶で挟み込みながらあっさり前に運ばせてしまう。そして小林祐のダイレクトパスが、ボックス内のジェイに渡ったところで大野、増田が「押し出す守備ではなく、ボールを奪いに行く守備をしてしまった」(吉田監督)ことが災いし、PKを与えたのだった。
この失点で、にわかにペースを失った新潟。
「ジェイ選手に対しては、長いボールを当てられてもセカンドボールに反応できていたし、チーム全体で守ることができていた。
でも後半、ジェイ選手に少しずつボールが収まるようになり、ズルズルとラインが下がってしまった。試合が終わってすぐにマグ(増田)とも話したが、そこで僕たちCBが、もっとラインを押し上げなければならなかった」
そう大野は悔やんだが、64分の逆転PKも、浮き球をジェイに背後に落とされ、受けた松井大輔を守田が慌てて倒し、与えたものだ。
逆転された後、吉田監督は4-1-4-1にシフトして反撃を試みたが、守備意識を高めた磐田を攻略できず。相手ゴール前、自分たちのゴール前と、声援のボルテージが上がる地帯でのプレーに、まだまだ改善の余地があることが浮き彫りになった。そして、劣勢だった前半から愚直なまでにジェイにボールを集め続け、やがて新潟のサッカーを決壊させた磐田の一貫性は対照的でもあった。
発展途上のチームは、拙さを露呈して与えたふたつのPKで、あっさり勝点3を手放した。そこに、成熟への道しるべを見出せているだろうか。
取材・文:大中祐二(フリーライター)