意表を突くシュートに、シャルケのGKは全く動けなかった。
香川が、またダービーで輝いた。
ブンデスリーガ第29節、シャルケとの「レヴィア・ダービー」に先発フル出場した香川は、49分にエリア外から先制点となる芸術的なループシュートを決め、今シーズンのリーグ通算7点目をマークした。
しかし、チームは2度のリードを守り切ることができず、2-2のドローに終わった。これで首位バイエルンとの勝点差は7に広がり、逆転優勝は厳しい状況に追い込まれることになった。
【試合レポート】シャルケ 2-2 ドルトムント
通常であれば、両者がプライドを懸けて激突するこのダービーだが、トゥヘル監督は木曜日に行なわれるリバプールとのヨーロッパリーグ(EL)準々決勝・第2レグを見据え、控えメンバー主体でこの試合に臨んだ。
リバプール戦の第1レグからは、オーバメヤン、ロイス、ムヒタリアンを含めた先発メンバー8人が、28節ブレーメン戦からは7人が入れ替わっていた。
香川が試合を動かしたのは49分。ペナルティエリア右からライトナーがヒールで落としたボールを、エリア外からループシュートでゴール左隅に流し込んだ。
強烈なシュートを予想していた相手守備陣の意表を突くシュートで、GKフェーアマンがほとんど動くことができなかったように、一瞬時が止まったかのように思えたシーンだった。
試合後の香川は、自身のゴールを「冷静に試合に入れたから、ああいう(ループシュートという)判断ができたと思いますし、しっかりと試合に集中して入れたから、ああいうゴールが生まれたと思います」と振り返った。
両チームが高い集中力を保ち、なかなかチャンスを作り出すことができない展開のなかで、香川のゴールは膠着状態の終わりを告げる合図となった。
直後にシャルケが追いつくと、5分後にはドルトムントがセットプレーから突き放すが、66分にはシャルケがPKで再び同点に。その後、両者ともに決勝点を奪うことはできなかった。
試合後、香川の表情は決して明るくはなかったし、ロッカールームへ引き上げる際も、どこか俯き気味だった。
「勝ちたかったですし、悔しい引き分けですね」
こう本音を口にした香川。チームは終盤に勝ち越しのチャンスを作り出していたし、自身も71分にプリシッチの折り返しから決定機を迎えるも、シュートはGKの正面を突いただけに尚更だっただろう。
メンバーとフォーメーションが大きく変わったなかでも、勝たなければリーグ優勝が遠のくことは分かっていた。ゆえに、「勝っていれば良かったですけど、勝っていないので……。素直に嬉しいというわけではないですね」と自らのゴールを喜ぶことはできなかった。
ただ、休む間もなく次の試合はやって来る。「(次の試合まで)時間がないので、しっかりと切り替えて、(良いかたちで試合に)入っていきたいと思います」と言い残し、香川はミックスゾーンを後にした。
現地取材・文:山口 裕平
ブンデスリーガ第29節、シャルケとの「レヴィア・ダービー」に先発フル出場した香川は、49分にエリア外から先制点となる芸術的なループシュートを決め、今シーズンのリーグ通算7点目をマークした。
しかし、チームは2度のリードを守り切ることができず、2-2のドローに終わった。これで首位バイエルンとの勝点差は7に広がり、逆転優勝は厳しい状況に追い込まれることになった。
【試合レポート】シャルケ 2-2 ドルトムント
通常であれば、両者がプライドを懸けて激突するこのダービーだが、トゥヘル監督は木曜日に行なわれるリバプールとのヨーロッパリーグ(EL)準々決勝・第2レグを見据え、控えメンバー主体でこの試合に臨んだ。
リバプール戦の第1レグからは、オーバメヤン、ロイス、ムヒタリアンを含めた先発メンバー8人が、28節ブレーメン戦からは7人が入れ替わっていた。
香川が試合を動かしたのは49分。ペナルティエリア右からライトナーがヒールで落としたボールを、エリア外からループシュートでゴール左隅に流し込んだ。
強烈なシュートを予想していた相手守備陣の意表を突くシュートで、GKフェーアマンがほとんど動くことができなかったように、一瞬時が止まったかのように思えたシーンだった。
試合後の香川は、自身のゴールを「冷静に試合に入れたから、ああいう(ループシュートという)判断ができたと思いますし、しっかりと試合に集中して入れたから、ああいうゴールが生まれたと思います」と振り返った。
両チームが高い集中力を保ち、なかなかチャンスを作り出すことができない展開のなかで、香川のゴールは膠着状態の終わりを告げる合図となった。
直後にシャルケが追いつくと、5分後にはドルトムントがセットプレーから突き放すが、66分にはシャルケがPKで再び同点に。その後、両者ともに決勝点を奪うことはできなかった。
試合後、香川の表情は決して明るくはなかったし、ロッカールームへ引き上げる際も、どこか俯き気味だった。
「勝ちたかったですし、悔しい引き分けですね」
こう本音を口にした香川。チームは終盤に勝ち越しのチャンスを作り出していたし、自身も71分にプリシッチの折り返しから決定機を迎えるも、シュートはGKの正面を突いただけに尚更だっただろう。
メンバーとフォーメーションが大きく変わったなかでも、勝たなければリーグ優勝が遠のくことは分かっていた。ゆえに、「勝っていれば良かったですけど、勝っていないので……。素直に嬉しいというわけではないですね」と自らのゴールを喜ぶことはできなかった。
ただ、休む間もなく次の試合はやって来る。「(次の試合まで)時間がないので、しっかりと切り替えて、(良いかたちで試合に)入っていきたいと思います」と言い残し、香川はミックスゾーンを後にした。
現地取材・文:山口 裕平