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【リーガ現地コラム】クラシコ勝利の原動力となった「新たなマケレレ」。いまやジダン・マドリーに不可欠な戦力だ

カテゴリ:連載・コラム

豊福晋

2016年04月06日

カゼミーロを使い続けるという判断が最高の形で実を結ぶ。

大きく評価を高めたのがクラシコ。果敢なプレスでメッシの自由を奪ったほか、CBにポジションを下げた終盤も上々の働きを披露し勝利の立役者に。(C)REUTERS/AFLO

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 複数の守備的ポジションに対応できる点も強みのひとつだ。

 S・ラモスがイエロー2枚で退場を命じられたとき、ジダンにはいくつかの選択肢があったはずだ。CBが退場になった場合、攻撃的な選手をベンチに下げ、代わりにCBを入れるのが一般的だろう。ベンチにはナチョが控えていた。

 テクニカルスタッフとしばらく相談した後、ジダンはある決断を下した。それはカゼミーロをCBの位置に下げるというものだった。

 こうしてマドリーは攻撃的な選手を交代せずしてチームを立て直し、それが逆転劇を生む一因となった。クロースもモドリッチも同じ役割はこなせない。カゼミーロを使い続けるという判断。それが最高の舞台で、最高の形となって実を結んだ。

 印象的だったのは、C・ロナウドの逆転弾が決まった直後の光景だ。チームメイトがゴールを祝うなか、カゼミーロはひとり芝の上に膝をつき、天に向かって叫び続けていた。世界中のカメラが、C・ロナウドを追い続ける中で。

「ジダンはマケレレを見つけた」。いまではそんな声すらある。

 現役時代、ジダンがマドリーとフランス代表でともにプレーした名ボランチ。それがクロード・マケレレだ。彼によく似たタイプのカゼミーロはまさしく、いまのマドリーに必要な存在だったのだ。

 クラシコをモノにしたとはいえ、バルサとの勝点差はまだ7ポイントある。リーガ優勝は依然として厳しい状況だ。しかし、クラシコを制してマドリーの士気が一気に高まったのも事実。チャンピオンズ・リーグを見据えれば、勝点3以上に意味のある勝利だったと言えよう。

 シーズン終盤を迎えて加速し始めたマドリー。それを可能にしたのが、陰で働き続ける目立たないブラジル人だった。

【著者プロフィール】
豊福晋/1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
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