モドリッチの憤りは日々の態度にも表れている
昨シーズンが開幕したばかりの頃、アンチェロッティはモドリッチ、クロース、カゼミーロの不動のMF3人に対し、若手に道を譲るための世代交代が進行中であり、プレータイムが減少することを受け入れなければならないと伝えた。その直後に退団したカゼミーロを除いて、モドリッチとクロースの2人は、重要な試合で重宝され続けたが、チャンピオンズリーグ準決勝第2レグでシティに0-4の完敗を喫したことが決め手となった。
今シーズン開幕前にクラブの上層部は指揮官に、世代交代をさらに加速しなければならないと命じた。序盤、2人はベンチスタートが続いたが、その後、完全に明暗が分かれた。クロースが状況を覆すのに時間がかからなかった一方で、自身の役割がバックアッパーあることを知ったモドリッチは、フラストレーションを蓄積させていった。
もちろん2人の間に、約4歳半の隔たりがあることはクラブの方針に影響を与えている。キャリアの幕の下ろし方に対する考え方も対照的で、モドリッチが1日でも長くトップレベルでプレーすることにこだわっているのに対して、クロースは近い将来の引退をほのめかしている。
モドリッチが存在感の低下に憤りを感じていることは、シーズン開幕以来、日々の態度にも表れている。アンチェロッティも先発から外されることが多くなっていることに不満を抱いていることを、否定していない。ひと夏を経て、重要な試合で替えがきかない存在だったのが、今シーズン、ここまで行われた2回のクラシコいずれもベンチスタートに甘んじている。全盛期の頃から試合を欠場することを極度に嫌っていたモドリッチにとって耐えがたい状況であろうことは想像に難くない。
今シーズン開幕前にクラブの上層部は指揮官に、世代交代をさらに加速しなければならないと命じた。序盤、2人はベンチスタートが続いたが、その後、完全に明暗が分かれた。クロースが状況を覆すのに時間がかからなかった一方で、自身の役割がバックアッパーあることを知ったモドリッチは、フラストレーションを蓄積させていった。
もちろん2人の間に、約4歳半の隔たりがあることはクラブの方針に影響を与えている。キャリアの幕の下ろし方に対する考え方も対照的で、モドリッチが1日でも長くトップレベルでプレーすることにこだわっているのに対して、クロースは近い将来の引退をほのめかしている。
モドリッチが存在感の低下に憤りを感じていることは、シーズン開幕以来、日々の態度にも表れている。アンチェロッティも先発から外されることが多くなっていることに不満を抱いていることを、否定していない。ひと夏を経て、重要な試合で替えがきかない存在だったのが、今シーズン、ここまで行われた2回のクラシコいずれもベンチスタートに甘んじている。全盛期の頃から試合を欠場することを極度に嫌っていたモドリッチにとって耐えがたい状況であろうことは想像に難くない。
モドリッチは母国メディアの『Sportske novosti』で心境を吐露している。
「クラブは残留を望み、僕の希望も同じだった。僕から出した唯一の条件は、これまでと同じように競争力のある選手として扱われることであり、過去の実績に基づいてチームに留まることではなかった。ステータスが変わるようなことは一言も言われなかった。だから契約書にサインしたんだ」
ラ・リーガとCLで好成績を収め、平穏を保っているドレッシングルームにおいて、モドリッチの去就はアンチェロッティにとって、最も複雑な問題となっている。
「私も現役ラストシーズンに同じような経験をした。自分の立ち位置を受け入れるのはとても難しい。モドリッチがプレーしないときに何を考えているのかは想像できる。誰もがキャリアの終焉が近づいていると考えている中、異を唱えている。確かに39歳(実際は38歳)には見えない」
決勝ゴールを叩き込み、ピッチ上で喜びを爆発させ、ドレッシングルームでチームメイトから祝福を受けたセビージャ戦の主役のジレンマを指揮官は代弁した。
文●ロレンソ・カロンヘ(エル・パイス紙レアル・マドリー番)
翻訳●下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。
「クラブは残留を望み、僕の希望も同じだった。僕から出した唯一の条件は、これまでと同じように競争力のある選手として扱われることであり、過去の実績に基づいてチームに留まることではなかった。ステータスが変わるようなことは一言も言われなかった。だから契約書にサインしたんだ」
ラ・リーガとCLで好成績を収め、平穏を保っているドレッシングルームにおいて、モドリッチの去就はアンチェロッティにとって、最も複雑な問題となっている。
「私も現役ラストシーズンに同じような経験をした。自分の立ち位置を受け入れるのはとても難しい。モドリッチがプレーしないときに何を考えているのかは想像できる。誰もがキャリアの終焉が近づいていると考えている中、異を唱えている。確かに39歳(実際は38歳)には見えない」
決勝ゴールを叩き込み、ピッチ上で喜びを爆発させ、ドレッシングルームでチームメイトから祝福を受けたセビージャ戦の主役のジレンマを指揮官は代弁した。
文●ロレンソ・カロンヘ(エル・パイス紙レアル・マドリー番)
翻訳●下村正幸
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