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新生アントラーズ、PSMで見えたポポヴィッチサッカーの浸透度。1つ懸念材料があるとすれば...

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2024年02月12日

佐野も立場が保証されているわけではない

今季から鹿島を率いるポポヴィッチ監督。その手腕に注目だ。写真:永島裕基

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 ただ、1つ懸念材料があるとすれば、ポポヴィッチ監督の主力とサブを区分けするチームマネジメントか。控え組のメンバーが数多く出てきた水戸戦の後半を見ても分かる通り、連動性や強度が低下し、明らかにリズムが悪くなった。

「固定されたメンバーで日頃やっているので、全員が同じように動くのは難しい部分もありますね。試合になれば18人で戦うことが大事になるし、交代したから落ちるというのはチームとして良くない」と守備の大黒柱・植田直通も指摘し、11日の練習時に指揮官とも話をしていた。

 ある一定のグループでやらなければ完成度の高いサッカーを見せられないというのでは、怪我やアクシデントなどが起きた時に対応できないのは確かだ。

 今季の鹿島の場合、昨季の重要戦力になっていた垣田裕暉や松村優太、名古新太郎らが控え組に位置づけられているようで、宮崎キャンプからここまでほぼ主力組で練習していないという。

 知念も当初はそういう位置づけだったが、柴崎の怪我によってボランチに抜擢され、急激に序列が上がった様子。こういった例は今後も出るかもしれないが、現状で主力組に入れていない面々にしてみれば、心身ともに難しさは否めないだろう。

「僕は今まで控え組のサイドやトップ下、ボランチなどいろんなポジションで練習していて、(水戸戦では)後半から入りましたけど、難しかった。切り替えのスピードとか守備、コンビネーションとかが求められてきますけど、そこも足りない部分がたくさんありましたね」と、師岡柊生も反省していたが、同じようなことを他の選手も感じたかもしれない。

 水戸戦で出番なしに終わった松村は、より危機感を強めているはず。「今年は自分が鹿島を引っ張る」と宣言して迎えた重要なシーズン、しかも開幕直後にU-23日本代表のパリ五輪最終予選、夏に本大会が控えている時期に、予期せぬ壁に直面しているのだから、「このままではいけない」という焦燥感を抱いているに違いない。
 
 11日の練習でも、彼は最後まで残って負荷を上げ、フィジカルコンディションを落とさないように努力していた。そうやってガムシャラに苦境を打開しようという姿勢をポポヴィッチ監督は求めているのかもしれないが、彼ら控え組メンバーをいかにして今後、戦力に組み込んでいくのか。それも指揮官に課せられる早急のテーマと言っていい。

 アジアカップ参戦でキャンプを回避し、合流が遅れた佐野海舟も立場が保証されているわけではなさそうだ。

「ポポさんとは町田の時にやっていましたけど、今までだったらテンポを上げなくていいところを崩しに行ったり、テンポを上げたサッカーをしないといけない。1個でも遅れたら、狙いやみんなの動きに合わせるのが難しくなる」と、本人も常に強度の高いプレーを求められているという。

 それがすぐ表現できなければ、佐野も先発から外される立場。代表という肩書は関係ない。そのあたりの厳しさが、ポポヴィッチ流なのだろう。

 様々な部分で昨季から変化している新生・鹿島がこの先、どうなっていくのか。開幕の名古屋戦が待ち遠しいところだ。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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