「J2優勝」を目標に掲げたモンテディオ山形。大型補強を実現できた背景にあるのは?

カテゴリ:Jリーグ

嶋 守生

2024年01月15日

明確なフィロソフィーがある強み

渡邉監督の下でJ2優勝なるか。写真:サッカーダイジェスト

画像を見る

 今年新たに就任した渋澤大介強化部長は「我々には明確なフットボールのプレーモデルがあり、クラブとしての明確なビジョンがある」としている。

 2020年に石丸清隆監督(現・愛媛監督)が就任して以降、ここ数年の山形はボールを動かしながら攻守でアグレッシブに主導権を握り続ける「アタッキングフットボール」を掲げて、クラブとしてのプレーモデル構築を続けてきた。

 その間、石丸監督、クラモフスキー監督と成績不振から2度の監督解任があったが、指揮官が代わりながらも、クラブはこのフィロソフィーを曲げることはなかった。その積み重ねの結果、山形はJ2におけるブランドを確立できたのだ。

「東北にあるただのJ2のクラブではなく、モンテディオ山形というクラブのブランド価値が着実に植え付けられてきている」(渋澤強化部長)

 今や獲得交渉の際にクラブが自分たち理念をしっかりと伝えられるようになっていて、スタイルに合う特徴を持つ選手たちから、このクラブを選んで来てもらえるようになってきたのだ。

 この差別化は今の山形というクラブが持つ、選手獲得における大きな強みのひとつとなっている。
 
 しかし、山形としては「明確なフィロソフィーを掲げるJ2の優良クラブ」という立ち位置に甘んじるつもりはまったくない。

 経営規模では、23年度は過去最高を更新する24億5000万円の営業収益見込みで急成長中。コロナ禍明けでサポーターも戻り、観客動員は昨年J2におけるクラブ最多を更新した。3年半後の27年夏には新スタジアムも開業予定で、クラブ環境もどんどん改善されてきている。

 経営面、環境、チーム戦力。多くの面で底上げが続き、上昇機運がある時期だからこそ、さらにステップアップするために、今年は「J2優勝」という大きな目標を掲げ、これまでになく本気で意識しているのだ。

 渡邉監督は「J2優勝。この目標を達成するために、誰一人、疑うことなく、誰一人、諦めることなく、我々とともに戦い、我々とともに前進して、目標をつかみ取りましょう」とサポーターに熱いメッセージを送っていた。

 10年ぶりのJ1昇格をJ2優勝で果たし、クラブの壁をブレイクスルーできるか。

 2024年は山形がクラブ・チーム・サポーター一丸となって勝負をかける年となる。

取材・文●嶋 守生(フリーライター)

「こいつはすげぇ能力」内田篤人が絶賛した元日本代表戦士がまさかの“不満”を告白「アドバイスを訊いても、全然教えてくれなかった」

【厳選ショット】まさかの2失点も…南野2発&中村ゴラッソ&上田綺世のダメ押し弾で4発白星発進!|アジアカップGS第1節 日本4-2ベトナム
【関連記事】
まさかの苦戦。日本代表に何が起きていたのか。選手が次々に口にした“想定外の事態”「正直、予想以上だった」【アジア杯】
なぜ森保Jはセットプレーから2点を奪われたのか。失点関与のキャプテン遠藤航が明かした問題点。「ユキナリに話はした」【アジア杯】
森保ジャパンには油断があった。ピッチ内に響き渡った「ボールを見ろ!」の怒号。ベトナム戦の失点はどこか罰を受けたようで...【アジア杯】
「日本最大の弱点はGKだ」ベトナム戦に快勝した森保ジャパンの“アキレス腱”を韓国メディアが指摘!「番狂わせの犠牲者になりかねない」【アジア杯】
「ベトナム代表はハイレベルと通常レベルの違いを理解したと思う」対戦国記者に現地で訊いた日本戦の評価。“最も危険だった選手”に挙げたのは2発の南野ではなく...【アジア杯】

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト いざアジア王者へ!
    5月10日発売
    悲願のACL初制覇へ
    横浜F・マリノス
    充実企画で
    強さの秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ